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撮影報告 その178 ラムヤート6年目のスタート vol.3

2013年3月29日。

7:50 起床。

ゴンちゃんは工場でパンづくり。

早朝からゴンちゃんの仕事の撮影予定だった一坪君はまだ寝ていた。

しばらくして一坪君が起きてきた。

早速ゴンちゃんの撮影を始めた。

そして一坪君は居間でのミワさんの撮影。

ゆうらの友達のタンタンが遊びにきていた。

二人は家にあるものを使って、即興オリジナルの遊びを楽しんでいた。

「こういう遊びっていいですよね。」

としみじみとミワサンが言った。

「熟女好きのノラがまた来ている。」

とマスキくん。

白黒のオスのノラネコが家の周りをニャーニャー鳴きながら歩いている。

今野家のチョコちゃんがお目当てらしい。

チョコちゃんはかなりおばあさんだけど。

 

 

チョコちゃんは今野家の5匹のネコの中で唯一外に出られるネコ。

人好きでネコ嫌いのチョコちゃんは、他のネコと微妙な関係。

外に出ても遠くに行かず、家に周りから離れない。

私が家を一周すると、ぴったりと足元についてくる。

いっしょにお散歩ができるシアワセ。

 

私は工場に入り、ゴンちゃんの仕事を見学。

この工場、居心地がいい。

ゴンちゃんは黙々と丁寧に仕事をしている。

時々考え、ノートにメモをとりながら。

この工場とゴンちゃんはホントによく似合っている。

 

天然酵母の元種は、青森の木村さんの林檎を使ったそうだ。

攪拌機と発酵機を使わず、手でこねて、ゆっくりと自然発酵させている。

 

工場の約半分ほどを占めているのは、マスキくんとゴンちゃんでつくった窯。

まだ完成していないが、パンを焼く機能には支障がない。

これからパンを売ってお金をつくり、完成させていくのだ。

 

ソファーの隣に棚があり、パン種を入れたバットを置いて発酵させている。

上段の方は温度が高く、下に下がるほど温度は低くなることを利用して。

アナログの世界。

 

棚やモノの置き場所は、まだ確定していない。

しばらくこのまま仕事して、一番いい場所を決めて、マスキくんに棚などをつくってもらうとのこと。

新しい窯はかっこいい。

マスキくんが煉瓦ひとつひとつにもこだわって組んでいったとゴンちゃん。

窯をよくよく見ていると、煉瓦の組み方とか、どうしてそうしてるの?

という疑問がわいてくる。

それを質問すると、

「なんででしょうか?」

[…]

撮影報告 その177 ラムヤート6年目のスタート vol.2

2013年3月28日。

6:50起床。

下に降りると、一坪君が工場の中でゴンちゃんの撮影をしていた。

どうやら見ているだけではいられなかったようだ。

一坪君とゴンちゃんは同じ年。

お互い何か感じるところがあるようだ。

朝食はゴンパンとコーヒー。

古いパンの食べ方を教わる。

パンに水を含ませ、油をしいたクッキングシートの上に並べフライパンで焼くとおいしくいただける。

今野家では薪ストーブで焼く。

今野家は美味しいパンを毎日食べられてしあわせやなー。

 

あと数日で6年目のラムヤートオープンということで、私も気張ってやってきたのだが、ラムヤートはいたって普段通りだった。

ホントに4月1日からオープンできるの?という感じ。

「今年はマスキくん早いわ。まあなんとかなるでしょう。私はその前にゆみこ祭りをなんとかしなきゃいけないから…」

とミワサン。

なんだかとっても頼もしいミワさんなのであった。

マスキくんも空間づくりのコンセプトは固まったようだった。

マスキくん、ミワさん、ゴンちゃん。

それぞれ心の中に6年目の想いを秘めながら、日々を過ごしているように感じた。

 

一坪君は来たばかりで、今朝も3時から起きているし、

今日はのんびり過ごすことにした。

一坪君とゴンちゃんの三人で温泉とランチをしにいくことにした。

 

近所に「いこいの湯」という温泉がある。

洞爺湖の眺めが素晴らしいところ。

まずはゆっくりとお湯につかった。

 

近所のカフェ・「コハム」さんはお休み、「味わえる」もテイクアウトだけだった。

3月いっぱいはシーズンオフなのだ。

湖沿いを走り、カレー屋さんのチャイハナへ行ったが、ここもお休み。

そのまま湖沿いを走り、ゴンちゃんの案内であぶたの道の駅へ。

ここで海を眺めながら3人でホタテ丼を食べた。

ゴンちゃん、いよいよだねえなどと話をしながら、

なぜか一坪君が古代文明の話を流れるように話す。

それをゴンちゃんが興味深そうに聞き入っていた。

古代文明、星、宇宙など、一坪君は大好きだ。

でもこういう話をできる人が周りにいないとのこと。

心ゆくまで話ができて、一坪君もとても喜んでいた。

 

帰る途中、せっかくだから「ゴーシュ」へ行こうとゴンちゃん。

お客さんは私たち3人だけ。

相変わらずの絶景をながめながら、コーヒーとケーキを楽しんだ。

贅沢なひとときを過ごした。

 

ラムヤートに帰り、今日の出来事を食卓を囲みながらひとしきり話す。

 

今晩はマスキくんがいつもとても楽しみにしているバスケの練習日。

鼻歌を歌いながら、足にテーピングをグルグル巻き、練習着に着替えている。

バスケの練習日、マスキくんは朝からソワソワしているらしい。

ゴンちゃんはパンづくりが早朝からあるので最近は参加していない。

[…]

撮影報告 その176 ラムヤート6年目のスタート vol.1

 

撮影を始めて、この4月でもう2年になろうとしている。

『空想の森』で縁のできた人を訪ね歩くことからはじめ、

函館、大沼、洞爺湖、大間、会津若松、高崎、敦賀、大阪、東京などで

インタビュー撮影、原発問題関連の撮影、日々の暮らし・仕事の撮影をしてきた。

 

それぞれの土地で、いくばくかの時間を共有し、今を生きる人たちの想いに触れた。

出会えてよかったと心から思う人多々。

それが私の原動力になっていた。

 

最後の撮影は洞爺湖のラムヤート。

一坪君を呼んで、いっしょに撮影しようと決めていた。

彼にもラムヤートを撮ってもらいたいと思ったからだ。

やっと時がきた。

 

ラムヤートは4月から6年目の新しいスタートを切る。

去年はパンのないパン屋だったラムヤート。

スタッフのゴンちゃんがパンづくりを日夜、研究・勉強し、試作を重ねてきた。

老朽化したパン窯も設計し直し、自分たちでコツコツとつくり上げてきた。

 

偶然、私の最後の撮影とラムヤートの新しい出発が重なった。

私はいつもより少し緊張していた。

 

2013年3月27日。

昼過ぎ、JR洞爺駅で一坪君をピックアップ。

一坪君は、映画やドラマ、CMの撮影で忙しい身。

その合間を見つけて今回来てくれた。

彼がどんな風にラムヤートを感じるのか、それも楽しみだ。

 

一坪君は初めてのラムヤートの撮影になる。

今までラムヤートを撮ったもののいくつかを粗く編集してDVDに落とし、

今回の撮影の趣旨と共に、事前に一坪君に送っていた。

彼はそれを全部見てきていた。

その話をしながら、ラムヤートへ向かう。

 

店の前にマスキくんが何やら仕事をしていた。

久しぶりに会うマスキくんは伸びた髪を縛り、元気に迎えてくれた。

私も一気に嬉しくなってきた。

そして母屋にいたミワさんのところへ。

一坪君を紹介し、ゴンちゃんデビューと6年目の出発のお祝いのチーズを渡した。

工場をのぞくと、ゴンちゃんが隅のソファーでぐったりとしていた。

 

私たちは道を挟んだ水の駅で昼食。

近況や最近思うこと、この映画のことなど話をした。

撮影ができる喜びが込み上げてきた。

 

ラムヤートに戻り、荷物や機材を運び込む。

そして機材を準備。

私のキャメラは液晶が壊れていて少々不便なところがある。

今回は一坪君が持ってきてくれたキャメラで撮影することにした。

明日一日はキャメラを回さず、いっしょに過ごして明後日から撮影しようなどと話す。

 

居間に入ると、6人ほどの子どもたちが走り回っていた。

引っ越しで忙しい近所の家の子などを預かっているとのこと。

[…]

撮影報告 その175 第9回大間原発訴訟

2013年3月13日。

3月15日、9回目の大間原発の裁判の撮影のため、函館へ向かう。

今回も野村家に宿泊。

 

2013年3月14日。

明日の裁判に向けての弁護団会議。

 

3人いる裁判官の内の一人が女性に変わったとのこと。

そのこともあって、女性三人に意見陳述をしてもらうことにした。

と弁護団の森越弁護士が言った。

 

菅野真知子さん、上田桂さん、野村保子さん。

意見陳述の原稿の読み合わせして、みんなの意見を聞く。

菅野さんが大間訴訟の会代表の竹田さんの友人で千葉県からやってきた。

上田さんは2回目の意見陳述。

 

弁護士のプレゼンは、只野弁護士の「地震と地震動と応答スペクトル」について。

 

そして、これからどのように裁判を進めていくかの話し合い。

 

 

2013年3月15日。

午前中、意見陳述の修正をするために、菅野さんが野村家にやってくる。

菅野さんと野村さんの陳述を読み合って、最終チェック。

 

お昼前、三人で函館弁護士会館へ。

傍聴に来た人、取材する人たちが今までで一番少なかったように思う。

みんなが裁判所へ入るまでを撮影。

毎回撮っているので、今回は三脚を立てて引き気味に撮った。

いったんキャメラを弁護士会館においてから、抽選に行った。

2回目の抽選で傍聴券が当たった。

 

新しい裁判体になって2回目。

政権が変わって初めての裁判だ。

 

傍聴席は満席。

今回はほとんどの人が中に入れた。

私は一番後部中央の席に座った。

開廷前に2分間、報道の写真撮影がある。

今回は1社。

シャッター音が法廷内に響いた。

菅野真知子さん

すぐに意見陳述が始まった。

トップバッターは菅野さん。

なぜ千葉に暮らす自分が大間原発を止めてほしいのかを訴えた。

 

間もなく、バーの向こうの原告席の森越弁護士が私を見て何かゼスチャーしている。

声が聞こえるか?ということだった。

[…]

撮影報告 その174 第8回大間原発訴訟口頭弁論

函館地方裁判所

2012年12月27日。

昨日まで雪が降り、荒れた天気だった。

今年の函館は雪が多い。

裁判でいつも顔を合わせる人たちとまずはこの天気の話。

 

弁護士会館にて

 

いつもより若干裁判を傍聴しに来た人は少なめだったが、年末押し迫る日として考えたらすごいことだ。

上澤さん

 

原子力資料情報室の澤井さん、上澤さんも来ていた。

竹田さん

訴訟の会代表の竹田さんは、大間原発をみんなの力で止めましょうと訴える。

 

今回私は傍聴の抽選に初めて当たった。

 

今回の陳述は加藤敬人さんと牧野美登里さん。

加藤敬人さん

加藤さんはアイヌ民族の立場から大間原発に対しての意見を述べた。

 

牧野美登里さん

牧野さんは横浜の人。

昨年の大間原発東京報告会に参加したことで原告になった。

チェルノブイリのことにも関心を持ち、様々な活動をしている人でもある。

大間原発も他人ごとではないと陳述をした。

石川さんも取材。

弁護士のプレゼンテーションは3本。

現行安全指針類問題についてを 青木秀樹弁護士。

大間北方沖活断層についてを上条辰徳弁護士 。

震源特定をしない策定地震動についてを 内山成樹弁護士。

 

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