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旅する映画 その84 トロピカルツアー 再び西表島 vol.20

2010年12月15日。雨。西表島追加上映。

久しぶりにゆったりとたくさん寝た。

雨が降っていた。

濡れた緑も美しい。

8:30。

朝食に母屋に行くと、今日きび刈りが休みのバズーが朝食を食べ終わったところだった。

コーヒー、パンとジャムと目玉焼きと野菜。

孝子さんとバズーと色々話をしながらおいしく朝食を頂く。

孝子さんは話しやすい人だ。

あったかくておおらかで人を包み込む優しさを感じる。

ランチのパンを隣のマナの店に買いに行く。

そして10:30過ぎ、孝子さんに大原の一慶さんの家までのっけてもらう。

波照間ではネット環境がなく、たまったパソコン仕事を一慶さんの家でさせてもらうことにした。

トミオバアも元気だった。

早速、お隣のトミオバアに挨拶に行った。

オバアは「今日、ヘルパーさんが来てご飯と味噌汁作っていってくれたから、食べなさい、食べなさい。」と台所に立とうとしたので、私はオバアの耳元で「今、古見の石原さんのところで食べてきたばっかりだから、お茶でいいよ。」と5回くらい大声で言ったら何とかオバアも納得してくれた。

そしてお茶を入れて二人で飲みながら、オバアにかいつまんで今までの話をした。

そして私は一慶さんの家でパソコン仕事にかかった。

間もなく昼休みの時間になり、一慶さんが戻ってきた。

私は携帯電話を石原さんの家に忘れてきてしまったのに気づき、挨拶もそこそこに、一慶さんの車を借りて取りに戻った。

往復30分くらいかかった。

私が戻ると、間もなく一慶さんは仕事に戻っていった。

そして引き続き、私は5時過ぎまでひたすらパソコンに向かった。

5時を過ぎると一慶さん、リューキが仕事を終えて帰ってきた。

まゆみさんもワゴン車でやってきた。

まゆみさんの車に機材を積み込み、大富公民館へ向かった。

こじんまりしたちょうどいい大きさの会場だった。

舞台の上にスクリーンとスピーカーを乗せ、セッティングにかかった。

その間、私はまゆみさんの車を借りて古見へ戻り、物販と本編を取りに帰った。

左から、リュ-キ、一慶さん。

公民館に戻ると、画面の調整をしていた。

プロジェクターとスクリーンの角度が大きく、画を調整するのに手間取ったが、なんとかうまくできた。

一慶さんは、きちんときれいに画が映るようにと最大限トライしてくれる。

そういうところがとても嬉しく大好きだ。

音が少し反響する会場だったので、少し音質を調節して聞きやすくした。

孝子さんは受付をしてくれた。

なんとか19:00過ぎ、上映準備が完了した。

まゆみさんは、上映会の情報を放送をするように公民館長にお願いしてくれていた

お客さんもぽつぽつ来はじめた。

子供も4、5人来てくれた。

まゆみさんのダンナさんのマサさん、孝子さんのダンナさんのカズさんも来てくれた。

きび狩りで忙しい中、全部で20人くらいのお客さんが足を運んでくれた。

追加上映を主催してくれたまゆみさん。

19:40。まゆみさんが挨拶をして上映を始めた。

体調を崩し風邪をひいていたまゆみさんががんばってくれた。

マサさんや、カズさん、孝子さんはどんな風に見ているのかなと思いながら私は一番後ろで見ていた。

そして途中、新得の宮下さんに電話をして、上映の様子を伝えた。

上映後、少し私が話してから、自己紹介や感想を言ってもらった。

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旅する映画 その83 トロピカルツアー 波照間島から再び西表島へ vol.19

2010年12月14日。曇り時々雨。波照間から再び西表へ。

7:40。起床。雨が降っていた。

荷造り。

朝食を食べ、石垣へ渡る1便に乗るため、9:15過ぎに星さんと照島荘を出た。

ナオコ さんのところに寄ってもらえないかと星さんにいうと、もう港に向かった方がよいとのこと。

最後に挨拶できないのが残念。

港に着くと、ショーマのお母さんや映画を見に来てくれた人なども送迎やらで来ており、ひとしきり話をしていると、ナオコさんもやってきた。

最後に顔が見られてよかった。

港の別れは何だかさみしい。でも、また波照間にはゆっくり来たいと思っている。

そしてまた、星さんたちは見えなくなるまで見送ってくれた。

松島加奈さん

席に座るとすぐに若い女性に「映画の監督さんですか?あの時見ました。」と声をかけられた。

熊本から1ヶ月ほど沖縄を旅している松島加奈さんだった。

船に乗っている1時間、ずっと彼女と話をした。

そのおかげで船酔いをなんとか免れた。

行きは穏やかな海でなんでもなかったが、今回は波も少しあり、結構揺れて、少しだけ胃がムカムカしていたのだ。

真ん中に座って前を見ていたら大丈夫と加奈さんに教えられ、私たちはお互い前を向いたまましゃべり続けた。

加奈さんは「空想の森」をとても気に入ってくれて、「熊本でも上映ができるかもしれない。」と言ってくれた。

「ぜひ今度は九州ツアーをしたい。」と私は言った。

川崎つばささん

加奈さんと石垣の港で別れ、西表島行きの船のチケットを買った。

次の船まで30分以上待ち時間があったので、船乗り場をウロウロしていたらマッサージの看板を見つけた。

ヨロヨロと近づいて行くと、お店の女性が私に声をかけた。

1月の営業の時に石垣でマッサージを受けた川崎つばささんだった。

船乗り場にも店を出し、いつもは違うスタッフなのだが、今日の午前中たまたま川崎さんのシフトになったのだそうだ。

なんと奇遇なことか。

1月に川崎さんのマッサージ屋さんに行っていなかったら、宮本さんとも出会うこともなく、このトロピカルツアーもなかっただろう。

20分ほどマッサージを受け、11:30の便で西表に向かった。

港には「ゆうわ村」の孝子さんが迎えに来てくれた。

まゆみさんは風邪をひいてしまい、明日に備えて休むことにしたとメールが来た。 そして早速、大原のいけだ屋のオバアと5日に大原公民館に映画を見に来てくれた酪農をしている長壮オジイの家に寄ってもらい、明日・15日の大富公民館での上映を知らせた。

長壮オジイは、「映画面白かったよ」と私に言ってくれた。

すごく嬉しかった。

ゆうわ村にて。私の部屋からの風景。

そして今回の宿・古見集落の「ゆうわ村」に向かった。今日の宿泊は私一人。

こんなに早く泊まりにこられるなんて思ってもみなかった。

本棚、CD、ピアノ、タイコもある。

大越悟さん。孝子さんの夫・カズさんの妹さんのダンナさん。

すぐ隣に「マナの店」というパン屋さんがあるのでお昼ごはんのパンを買いに行く。

みりんやミソなどのいい調味料も売っていた。

西表島を題材にした素敵な版画のポストカードもあったのでそれも買った。

店のご主人の大越悟さんにも明日の上映会の事を話すと、「子供が学校でチラシをもらってきました。」と言っていた。

2年半前に本島から西表に家族で移住してきたとのこと。

石原家のきび刈り隊。左から、ノリちゃん、トシオミさん、バズー。

孝子さんの家もきび刈りが始まり、援農の人たちが3、4人ほどすでに来ている。今日休みだった猪熊典子さんに母屋で会った。

群馬県から夫と二人で来ている。

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旅する映画 その82 トロピカルツアー 波照間島 vol.18

2010年12月13日。晴れのち曇り。

照島荘の裏手はこんな感じです。

9;00。朝食。

やはり少々風邪気味だ。

今日も夏のように暑い。

波照間は家の裏に畑をつくって野菜をつくっている人が多い。

夏は暑すぎて野菜ができない。

今からが野菜のシーズン。

北海道と逆なのだ。

9:30。

ナオコさんの店へ、機材の撤収や店の復旧。

千恵ちゃんも手伝いに来てくれていた。

昨日、近所の子供たちを集めての上映会もなかなか良かったそうだ。

機材をばらし、車に積み込む。

ナオコさんと小学校と中学校に返却に行く。

隣接していて校庭も広々している。

小学校は24人、中学校は10人ほどの生徒がここで学んでいる。

さすが南国は校舎のつくりが開けっぴろげで開放的だ。

私たちが教室の脇を歩いていると中の先生が「こんにちは」なんて挨拶してくれる。

映画を見に来てくれた仲底校長先生ともお礼がてら少しお話をした。

この先生は生まれも育ちも波照間。

どうしてこの島で上映したのかを聞かれた。

そして今度は南を撮ったらどうですかと言われた。

西表でも石垣でも映画を見た人にそんなことを言われていたので、それもいいかもと思ってきた。

店に戻り、テーブルを元の位置に移動したり、お土産の小物を並べたりした。

ここは以前は住居スペースだったそうだ。

普通の民家だったのを、ダンナさんの周二さんが改装したのだそうだ。

島の男は暮らしに関するたいがいのことは自分できるのだそうだ。

そんなこんなで、ナオコさんと色々な話をしていて、お互い違う環境にいるけれども、何か通じるものを感じられ、それがとても嬉しかった。

片付けもあらかた終わったので、私は店のデッキでパソコン仕事をしていた。

お昼過ぎ、ユウナが「ただいまー!」と幼稚園から帰ってきた。

ナオコさんが焼きそばをつくっている脇でユウナがナオコさんに今日あったことなどを話していた。

そしてばあちゃんと3人でご飯を食べ終えると、ユウナは「遊びに行ってきまーす!」とまた元気に友達の家へと走っていった。

きび刈りの鎌と帽子。

私は照島荘に戻り、お昼ご飯を食べさせてもらう。

「3時で休憩に入るから、その前に少しだけきび刈りをやりに行こう。

この島はゆいでやっているからそれも見ておいた方がいいよ。

もしかしたらそのうち映画に撮るかもしれないんだから。」と言って、星さんの暮らす北部落のきび狩りを少しだけ体験させてもらった。

波照間は結できび刈りをしている。

同じ集落の人のきび畑を順繰りにみんなで刈るのだ。

10人以上の人たちがきび刈りをしていた。

私も挨拶をして、西表で習ったようにやった。

やり方は同じだったが、波照間はきれいにしたきびを置く場所に2本杭が立っていてその間にきびを置く。

その際、カーブーを同じ方向にそろえておく。そうすると後で集めやすい。

体の調子がよければもっとやっていたい作業だ。

3時になると「ピー!」と笛が鳴った。

休憩の合図だ。

少しだったけど、波照間でもきび刈りができて嬉しかった。

星さん、ありがとうございました。

西表のまゆみさんから電話がきた。

[…]

旅する映画 その81 トロピカルツアー 波照間島 vol.17

2010年12月12日。晴れ。

なんだかんだでアッという間に時は過ぎていく。

私は気分は高揚しているのだが体はかなり疲れがたまってきている。

9:00過ぎ、朝食。

朝食後少し部屋で休んだ。

奥田さんが今日の最終便で石垣に戻る。

天気がいいので、星さんは奥田さんを港に送りがてら、島を案内してくれた。

コート盛の少し先に学童慰霊碑がる。

戦争中、波照間の子供たちが西表に強制的に疎開されられ、マラリアにかかり多くの命が失われたのを慰霊するためのものだ。

説明する星さん。

学童慰霊碑から西表島をのぞむ。うっすら水平線に見えるのが西表島。

この碑は西表の南風見田(はえみだ)の浜に向かって建っている。

西表でまゆみさんに案内された忘勿石の傍らにも碑があった。

その碑にもマラリアで亡くなった学童の名前が記されている。

今日は晴れていて西表島がよく見えた。

南風見田の浜の白い砂浜がうっすら見えた。

サンゴの浜。小さな浜。

緑と白と青のコントラストが目に鮮やかな浜なのだ。

サンゴの浜

ニシ浜。陽射しがあると深いブルーがいっそう引き立って見える。

12月に真夏の世界にいるのがやっぱり不思議な感じだ。

シュノーケリングでもしたくなってくるが、上映の旅が終わるまで体調を崩さないようにしなくてはいけない。

ガマンガマン。

16:45の最終便で奥田さんで帰っていった。

星さんは船が見えなくなるまで手を振って見送っていた。

そして星さんは、第二コート盛と呼ばれるところに、夕陽を見に連れて行ってくれた。

素晴らしい夕陽だった。

太陽が海に沈むまでしっかりと見たのは初めてだと思う。

空と海と雲。刻々と変わる色。

またこの島にゆっくり来たいと思った。

星さんと二人で夕ご飯。

野菜がたっぷりで私は星さんの料理が大好きだ。

明日はこの集落できび刈りを一緒にやりたいと思っていたのだが、体が疲れていて少し風邪気味なので大事をとってやめることにした。

ほんとはすごくやりたいのだが・・・。

映画をいっしょにつくった録音の岸本くん、撮影の一坪くん、整音の久保田さん、英語字幕の山之内悦子さんに電話をしてトロピカルツアーの報告をした。

昨日仲底商店で、あがた森魚さんの話になり、どうしているかなあと思い、あがたさんにも電話をし、ひとしきり話す。

それから那覇でお世話になった直美さんにも電話。

日本最南端の島で、私はみんなととても近くにいるような感覚になった。

夜、外に出て空を見上げると星がたくさん見えた。

ちっぽけな自分だが、満たされた気持ちだった。

[…]

旅する映画 その80 トロピカルツアー 波照間島 vol.16

2010年12月11日。曇り時々雨。上映日。

8:00過ぎ。朝食。

量も程よくおいしくいただく。

西表島のまゆみさんから12月15日、大富公民館で上映できないかとメールが入る。

もちろん、追加上映としてやることに決めた。

名石売店で働くチエちゃん

今日の夜が上映なので、集落を宣伝に歩く。

波照間島は周囲やく10キロ、人口約500人。

島の中央の高台に5つの集落が隣接している。

各集落に一つ売店がある。 上映会場のある名石集落の売店にはポスターが張られていた。

中では千恵ちゃんが働いていた。

彼女は今日の上映会を手伝ってくれる。

右から、ショーマ、タケシ、後ろを向いているのがユウナ。その向こうがフウチ。

中底商店の前で、ナオコさんの子供の武司(タケシ)くん、ユウナちゃん、花HANA食堂の子供の翔馬くん、中底商店の親せきの仲底雨海地(フウチ)くんが遊んでいた。

ひとしきり子供たちと話をした。

ナオコさんの子供たちとは昨日から顔を合わせていたので、昨日よりも打ち解けた感じだった。

島の子供たちはみんなかわいい。

この島の子たちも、高校生になるとこの島を出て行くのだ。

仲底商店に入った。レトロな感じのしゃれたお店だった。

ここにも映画の宣伝がされていたので挨拶をすると、仲底美貴さんやスタッフの方たちとひとしきりおしゃべり。

今日はスタッフみんなで見に来てくれる。

「空想の森」のチラシの裏にあがた森魚さんのコメントが載っている。

何年か前、美貴さんのところにあがたさんから波照間でライブをやりたいと連絡があったそうで、そのあがたさんと「空想の森」が関係しているということで何か縁があると思ったそうだ。

いったん照島荘に戻り、自転車に乗り、西浜の方を目指した。

モンパの木(お土産屋)、あやふふぁみ(食堂)でランチ。

私はカレー、島野菜のピクルスを食べた。

とてもおいしかった。

どちらの店にもチラシがあったので店の人にご挨拶をした。

モンパの木。

集落の掲示板にもチラシが張られていた。

ナオコさんがんばってくれたのだなあと思った。

自転車で走っていると、向こう方から男の子が歩いてきて私たちに手を振っていた。

タケシだった。ショーマの家に遊びに行く途中だった。

私たちも誘われたが、上映の準備があるのでまた後でねと言って別れた。

それからタケシは走って行った。

15:00。奥田さんといっしょに会場のそばカフェあとふそこへ。

まず店の売り物のアクセサリーや木のスプーンやフォークなどを片付け、大きなテーブルを外に出す。

ソファーやテーブルを移動したり、物販や飲み物コーナーをつくったり。

大きなソファーを後ろと前に一つずつ配置。

なかなかゴージャスな席だ。

とてもいい雰囲気の劇場になった。

そばカフェあとふそこにて。楽音日和をかけながら、上映準備。

「私、音楽はあまり聴かないのですが、これは好きです!」という女性がいた。

新得バンドのみんなに知らせたい。

あらかたレイアウトが終わって、私は画と音の調整にかっかった。

スクリーンが年代物で右肩下がりになっていたのが気になった。

ナオコさんが天井のベニヤ板にネジをねじこみ、スクリーンの右肩を紐でひっぱって平行にした。

そしてスクリーンいっぱいいっぱい画を出し、音も調整した。なかなかいい画と音になった。

18:00ころ、龍ちゃんのお店のお惣菜が届き、みんなで腹ごしらえ。だんだん暗くなってきた。

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