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旅する映画 その94 トロピカルツアー 与那国島から石垣島へ vol.30

2010年12月25日。曇り時々雨。

いよいよ島を離れる日。

今日もゆっくり起きて、荷造りをした。

まなみさんに空港まで送ってもらった。

今回の上映は松田さん、まなみさんにお世話になりました。

ありがとうございました。また、

与那国空港。

石垣空港に着くと、内藤さんが「おかえりなさい」と出迎えてくれた。

そして昼ごはんは、私の大好きなゆし豆腐屋さんへ連れて行ってもらう。

ここでゆっくり食事をして、与那国上映のことなどを話した。

いつ来ても、おいしく、落ち着きます。

石垣の中心地に万世館という映画館があった。

しかし何年か前に閉館。石垣から映画館が消えた。

今日の午後そこで、「NPOと市民共同のまちづくりシンポジウム」があるので、内藤さんに誘われ一緒に参加した。

一部は地元ミュージシャンの演奏。

前花祐介さんの歌が心に残った。

オオゴマダラや忘勿石をモチーフにした歌を歌っていた。

私がこの1ヶ月のトロピカルツアーで見たり行ったりしたところだったので余計に心に響いた。

二部はシンポジウム。基調講演は、桜坂劇場の中江裕司さん。

「ナビィの恋」の監督だ。

閉館になった桜坂劇場をどのように再生していったのかという話だった。

とても興味深くおもしっろかった。

うんうん、そうそうと思うことばかりだった。 劇場に自分の人生をかけ、腹を据えてやったこと、大きなシネコンには出来ない事をやること、常にお客さんの要望に応えるために、半年ごとに仕掛けていくこと、などなど。 そのような覚悟と努力で今の桜坂劇場があるのだと改めて思った。

6人のパネリストの方たち。

内藤さんは中江さんの映画(真夏の夜の夢)の離島上映を1年半くらい前に、中江さんといっしょにまわった。

苦楽を共にした上映の旅だったのだろう。

今も内藤さんは中江さんと交流があり、このシンポジウムの打ち上げに私も一緒に参加させてもらった。

打ち上げは20:30ころ終了。

その後、中江さん、内藤さんと三人で、おいしいおでん屋に連れて行ってもらった。

そこで私は初めて中江さんと話をした。

あんな素敵な映画館を経営し、自分の映画もつくるスゴイ人だと思う。

私も島々でも上映の話をした。話していてほんと、面白かった。

そして刺激になった。

明日も朝食一緒に食べようということで別れた。

トロピカルツアーの最後に中江さんと会ってじっくり話せたことはクリスマスプレゼントだったのかもしれない。

内藤さん、ありがとう。

[…]

旅する映画 その93 トロピカルツアー 与那国島 vol.29

2010年12月24日。晴れ。

今日もゆっくり寝て起きた。

どぅぐいわりに昼ごはんを食べに行く。

またカジキの中身チャンプルを注文した。

そしてショウコさんに昨日のお礼を言うと、またゆっくり話したいとショウコさんは言った。

それから、坂の上のTシャツ屋さん・オネマヒナへ。

風もなく、夏のような日である。

砂月さんに昨日の上映会のお礼をいう。

外のテーブルでひとしきりおしゃべり。

ほんとここは気持ちのいい場所だ。

そして記念にTシャツを1枚買った。

それから、「さくら」へ。ルミさんとひとしきり話す。

彼女は昨日上映会に来てくれたのだが用事で途中で抜けたので、試写用DVDを渡した。 また、トイレを借りた。

ここのトイレは私は妙に落ち着く。

漆喰の壁とレンガの床の狭い空間がいいのだ。

トイレの横が鳥小屋。

にわとりが離されている。

この裏庭は日本っぽくない。

ルーマニア辺りの家のような感じだ。

表は海の砂が敷かれていて、これは日本庭園みたいだ。

センスがいいなあと思う。

みーちゃんは気持ち良さそうに寝ていた。

今日、子供たちは終業式。 昨日から(12月23日~26日)与那国小学校で移動大学が開かれている。

私は野焼きコースを受講させてもらった。 14:30受講したい人が集まってきた。

昨日からやっていて、明日は野焼きをするという。

私は明日帰るので、つくったものは松田さんに預かってもらうことにした。

右が先生の島袋常秀さん、左は助手の方。

私も子供たちに混じって作品をつくった。

昨日から受講している大人の方も何人かいた。

私は初めは皿をつくろうとした。

なかなか思うような形にならず、どつぼにはまった。

子供らは実に上手に形にしていくのと対照的だった。

それから二転三転して、黒糖入れに落ち着いた。

私の作品です。

校舎からの風景。

校庭にはヤギがいた。

食べるのかなあと思って聞いてみたら、売るそうだ

。離島の子供たちは石垣などへ行くのにも船賃がかかる。

そのたしにするのだそうだ。

移動大学は、様々な講座があった。

[…]

旅する映画 その92 トロピカルツアー 与那国島 vol.28

2010年12月23日。晴れ。

お月様と星がきれいな夜だった。 辺りが暗くなり始めた頃から、クリスマスのイルミネーションをのせたにぎやかな車が連なって島を走っていた。

子供たちへのクリスマスプレゼント。

子供は喜ぶだろうなあ。大人もウキウキするだろう。

上映中、上映会場横も通り過ぎていった。

上映会場受付にて。

左から、松田さん、まなみさん。年末の忙しい中、今回の与那国上映会を開催してくれた人たち。

感謝です!!ありがとうございました!

今日もゆっくり起きた。車で宣伝にまわった。

入波平酒造のテルミさんのところへ。

今年1月の営業の時に出会った人だ。

私が行くと、テルミさんは出かけていてちょうど帰って来たところだった。

相変わらず明るく楽しいおしゃべりをした。

今日の上映もダンナさんと来てくれるとのこと。

チケットを買ってくれた。

入波平酒造のテルミさん。

そして久部良の「カレー屋 ユキさんち」へ。

ここで、キャベツのカレーを食べながらユキさんとゆっくり話をした。

「今回の上映会は行けないけど、次回は行くから。」とユキさんは言った。

ユキさんは海岸で漂流物を採集してる。これはその採集物のタツノオトシゴ。

久部良からおもろのある祖内へ戻る途中。与那国馬。

15:00過ぎ、おもろに松田さんが迎えに来てくれて、会場の「どぅぐいわり」へ。

左から、どぅぐいわりのショウコさん、ツバサくん、アキヒロさん。

ショウコさんは与那国生まれ。

実家は旅館を経営している。

彼女は5年前に島に戻って来て、今年2月からこの店をオープンした。

アキヒロさんは大阪出身。準備の合間に色々話をした。

「次回の上映の時は、また協力します。」と言っていただき嬉しかった。

アルバイトの佐藤貴代さん。

神奈川県出身。与那国に来て3年。

会場入り口。

みんなで机や椅子を移動し、松田さんがプロジェクターとスピーカー、アンプをセッティングしてくれた。 今日から島では移動大学が開催され、松田さんはそれで大忙しなのだ。

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旅する映画 その91 トロピカルツアー 与那国島 vol.27

2010年12月22日。晴れ。

彦根の奥田さんからの電話で起きた。

昼近くまで寝ていた。 だいぶ復活してきた。

天気も上々。

宿の近くの国境(はて)でお昼ご飯を食べた。

そして自転車で映画の宣伝にまわる。

与那国郵便局にもチラシを張ってもらった。 与那国民族資料館にも行ったが、誰もいなかったので、チラシとメモを置いてきた。

花ゆり工房。ここにもチラシを置いてきました。

中に入らせてもらう。

仲嶺綾美さんと敬一郎くん(2ヶ月)。

綾美さんは織物をしていた。

lここでは織物体験もできるそうだ。

この籠に敬一郎くんが寝ていて気持ち良さそうだった。

私もこの中で寝てみたい。

与那国役場。前を通りかかった中学生にも明日の上映のチラシを渡した。

パン屋さん、JAにもチラシを置かせてもらいました。

前原商店にチラシが張ってあったので、中に入ってご挨拶をした。

小学校と中学校です。

こういう日は、島を自転車でまわるのはいい。

坂を登りきったところに、Tシャツ屋さんがあります。one mahina(オネマヒナ)

店長の砂月(さつき)さん。

オリジナルTシャツなどを販売しているおしゃれなお店。

店の外のテーブルでコーヒーをご馳走になりながら、おしゃべりをした。与那国の黒糖もいただいた。

与那国の味だった。

砂月さんはほがらかな温かみのある女性だった。

高台にあるので眺めがよく、気持ちが良かった。

砂月さんに「さくら」への道を尋ねた。

坂をまっすぐ降りてパン屋さんを過ぎた一つ目の角を左へ。

そして5本目の道を右。

この坂を降りて、曲がらずにまっすぐ行くと、私の宿・おもろです。

砂月さんの言う通りに行くと「さくら」はあった。

魅力的なたたずまい。

さくらの稲川留美子さん。北海道出身。

コーヒーとおいしいりんごをご馳走になりながらひとしきりおしゃべり。

また、与那国で上映会をしたいと思った。

店の中も素敵です。

[…]

旅する映画 その90 トロピカルツアー 与那国島 vol.26

2010年12月21日。曇り時々雨。

新得から遠く離れて、南の島々を映画と共に旅を続けている。 この相棒が新得で暮らす人たちや私たち映画スタッフを雄弁に語ってくれる。 今までに私がしたすべての事柄が、自分の血となり肉となっていることを感じる日々でもある。 南の果てだろうが西の果てだろうが、どの地でも人はあたたかくやさしく、働いている姿は美しくカッコいい。

そしていっしょに食べて飲んで話してみると、共鳴することが多くある。 映画に出会い、映画をつくることができたことに、今、私は感謝している。

おもろからの風景。

気持ちのいい布団でゆっくり寝た。

朝、松田さんから電話。

昼ご飯がてら上映会場を見に行こうと。

まだ寝ていたかったので、まなみさんに朝食はいらないですと伝え、また寝た。

昼に松田さんが迎えに来てくれ、上映会場のドゥグイワリへ。

今年の7月にオープンしたばかりの喫茶店だ。

せまいと聞いていたが、思っていたほど狭くない。

ここに、松田さんの同僚の前黒島さんも合流して3人で食事をした。

カジキの中身チャンプルー。

本当にオススメです。

私は二人に勧められて、ここでしか食べられないというカジキの中身チャンプルーを注文した。

これが非常においしかった。

カジキの胃袋は歯ごたえがあり、ほんとうまい。

空想の森のチケットです。松田さんがつくりました。

与那国の人口は1600人ほど。

サトウキビの1シーズンの収穫量は5000トン。

漁師の人数は30人以下になってしまった。

松田さんも島への愛情があふれる人だ。

現在、問題山積の与那国をなんとか盛り立てていきたいと、比川で音楽祭を開催したりしている。

西表、波照間、石垣、与那国と上映をしてきて、そこに暮らす人たちと出会い、色々な話をしてきた。

みんなそれぞれ自分の島が大好きで、島への愛情にあふれていた。

同時に様々な問題も抱えているが、どうにかいい方向にすすめていこうと自分の足元でふんばっている人たちだった。

出会った人たちはキラキラしていた。

「ここでこうして生きているんだー。」ということを強く感じた。

海、空、川、動物、植物、そして何よりそこで暮らす人々の魅力という素晴らしい宝をもった島々だった。

それが未来へ活かされていくことを願わずにはいられない。

今日はパソコン仕事を終えて、夕ご飯まで部屋で寝た。

だいぶ疲れが取れてきた。本日の宿泊は3人。

香川県から来たパワフルで明るい楽しい男性と、新潟から来た青年。

みんなで色んな話をして楽しい夕食だった。

22:30からNHKの沖縄の番組をまなみさんといっしょに観た。

沖縄返還までの道のりの話だった。

私は今年1月の沖縄営業、そして今回のトロピカルツアーで沖縄で暮らす様々な人たちと出会い話をした。

この地に身をおき、風を感じ、食べ物を食べ、飲み、語り会うことで、私の沖縄に対する思いは今までと違ってきた。

とても近く親しくこの沖縄を感じている。

同じ時代に生きる人間として、彼らと共にありたいと思う。

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