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旅する映画 その74 トロピカルツアー西表島 vol.10

2010年12月5日。那覇から西表島へ。

那覇桜坂劇場での上映の日々は、実に色々な人に出会った。

友人もできた。

またきっと那覇に上映会で戻って来ることができると思う。

最後に直美さんに挨拶してから空港に向かう。

石垣島の港から船に乗り西表島へ。乗り合わせたオジイに「旅行ですか」と聞かれてから、チラシを渡し、映画の話をした。

そのオジイは30年前に西表島に移住して、大原に住んでいるという。

昔、山梨の映画館で支配人をしていたそうだ。

今晩の上映会によかった観に来てくださいと誘った。

西表島大原港に着くと、「空想の森」のチラシを持った若い女性・ユリが迎えに来てくれていた。

今日の上映会場の大原公民館、私がお世話になるトミオバアの家も港から歩いていける距離だった。

大原公民館。前に芝生の広場がある。芝生の向こうがトミオバアの家。

西表島はキラキラ した若者たちの島なのだ。 これが私の第一印象。

城間富さん。トミオバア。93歳。

先月みんなに祝ってもらったそうだ。

「あと2、3日泊まらせてもらってもいいですか。」と尋ねると、「泊まってけばいいさー。台所にごはんとおつゆあるから食べなさい。」とオバア。

オバアの家。マナとミズナもオバアの家に住んでいる。

ここが私の部屋。

左からユリ、ユキヨ。ユリは島に来て半年。由布島(ゆぶしま)で観光客を水牛に乗せる仕事をしている。

家の中では トミオバアのレシピでサーターアンダーギーをつくっていた。

オバアのサーターアンダーギーは島一番だそうだ。

トミオバアの家の横に一慶さんの家がある。

今回の上映会を主催してくれた一慶さん。

男前なのだ。

左からリュウキ、ナオキ。 リュウキは島に来て4年目。農業をしている。

ナオキは島に来て4日目。今話題の海老蔵に似ている。

受付嬢。左からマナ、ユキヨ。

マナは島に来て1週間ほど。ユキヨは島の東部で一軒あるカラオケスナックで働いている。

島は2回目で1ヶ月が今過ぎたところ。

島に移住してきた若者たちが観に来てくれた。

島の酪農をしているオジイも観に来てくれた。

一慶さんはとても嬉しそうだった。 船で出会ったオジイも観に来てくれた。

そして映画を絶賛してくれて、もっと島の人にも見せたいと言ってくれた。

上映後はスクリーンの前でみんなで車座になり、一人ずつ感想や自己紹介。

ほとんどの人が内地から西表に移り住んだ人たちなので、映画に感じるところも多かったようだ。

私も新得のみんなととても近いものを感じる。だから会ったばかりなのに自然に話が通じる。

[…]

旅する映画 その73 トロピカルツアー 那覇にて vol.9

2010年12月4日。晴れ。 少々疲れがたまってきている。 喉が少し痛いので「屋台バザール」でトムヤンクンでも食べようか。 出かけに、宿の受付のナオコさんと、彼女のオススメの店、私が行ったお店など話す。

屋台バザールは準備中の札がかかっていた。

戸を開けてマスターに聞くと、子供のお遊戯会を見に行っていたから今から準備とのこと。

私はブラブラしてから又来ることにした。

とはいっても、お腹がすいた。

節子鮮魚店で刺身をちょこっと食べようと。

あわびも、焼いてもらった。

マコトさんは時折来るお客さんの対応をしながら、きびきびと店内を動いている。 カッコいい。 店を継ぐ前まではスーツを着て仕事をしていたそうだ。

それはそれでカッコよかっただろうなあ。

奥さんの奈津子さんも映画館でお会いした時、一瞬誰だかわからなかった。

普段着がとても素敵だった。

マコトさん。

ナオコさん。

私がビールを飲みながら食べていると、宿のナオコさんがやってきた。

さっき節子鮮魚店の話をしていたら、カキが食べたくなったと。

そこで色々な話をした。

ナオコさんの宿も物語のある宿なのであった。

ビールも飲みたいけれど、まだ仕事なので。と宿へ戻っていった。

ナオコさんにススメられた「ひばり屋」。

入り口に、「トイレに行っているのでもうすぐ帰ってきます」という紙がはられていた。

少し待つと店主の辻佐知子さんが戻ってきた。

佐知子さん。

私は深入りの珈琲を注文した。 佐知子さんは東京で映画学校に行っていて、20代の頃、16ミリで自主制作の映画を1本つくったことがあるとのこと。

今度那覇で自主上映をする時、ぜひ観てもらいたいと思った。

私は左の椅子に座った。

なかなか高さがいい。

空き地の青空カフェ。

気持ちよかった。

屋台バザール入り口。 トムヤンクンを食べた。

そしてがじゅまるガーデンへ。

直美さんから封筒をもらって、チラシを波照間に送った。 その時教えてもらったクロネコヤマトの店は、節子鮮魚店のすぐ近くだった。

色々な方向から歩いて、迷路のようなこの辺りの道がようやくわかってきた。

がじゅまるガーデンへの帰り道、「プッチト・リュ」に立ち寄った。

ワインとお惣菜ちょっことを外のテーブルで食べた。

やはりおいしい。中は満席でにぎわっている。 少しすると、健一さんが出てきて、空想の森のチラシにサインをして欲しいと頼まれた。

恥ずかしかったけど名前を書いた。

そして、那覇でやる自主上映会では映画と何かコラボできたらいいですねと話した。 […]

旅する映画 その72 トロピカルツアー桜坂劇場 vol.8

2010年12月3日。桜坂劇場最終日。

本日もいい天気。

昨日より少し涼しく過しやすい。

いよいよ今日で最終日。 10人弱のお客さんが来てくれた。

上映後の質疑応答では、3人の方が手を上げて質問や感想を言ってくれた。 活発ないい時間だった。

左から山下洋子さん、小栗由香さん。

引き続きロビーでもお話をした。

山下さんは空想の森映画祭や共働学舎に興味をもたれたそうだ。

いつか行ってみたいと。小栗さんは子育てに感動したとのこと。

ご自身も子育ての情報誌の仕事をしている。

桜坂劇場の1週間の上映も無事終わった。 お客さんの数はあまり多くなかったけれど、観ていただいた方々の心に何かしら響き、直接お客さんとお話できたことは大変良かった。

桜坂劇場のスタッフの方々にも大変お世話になり、ありがとうございました。

桜坂劇場の真喜屋力支配人。

桜坂劇場の物販担当の東恩納慶子さん。

夕方、からからへ。

昨日辺りから疲れ気味で喉が少し痛いと千恵子さんに言うと、島の金柑を出してくれた。

これがとてもおいしく、食べたら喉の痛みもやわらいだ。

島焼きそばにも、野菜をたっぷり入れてくれた。

12月5日日、那覇マラソンが開催される。

カラカラのお客さんも出場するので、のぼりをつくって33キロ付近で応援に行くと千恵子さんが話していた。

那覇マラソンはお祭みたいなもので、仮装をして走ったりする人も大勢いて楽しいそうだ。 そんな話をしていたら、カウンターに座っていた私の隣に若い女性が座った。

泡盛の飲みっぷりがいい人だった。

話しているうちに、彼女はその那覇マラソンに出場するために千葉からやってきた人だった。

フルマラソンは2回目だそうで、目標は5時間を切ること。 そんなこんな話していたら、クロネコヤマトがやってきて、大きなダンボール箱が店に届いた。

それがのぼりおセットだった。

どんなのぼりかみてみようと、箱を開けみると、オレンジ色のよく目立つのぼりだった。

ちょっと立ててみようかとみんなで組み立てたじめた。

そして私は向かいの桜坂劇場へ。今晩は直美さんと「パリ・ミュゼット」のライブを見に行く約束をしていた。

カラカラのカウンターから見ていたら、次から次へと人が劇場に入っていった。

カフェでは、このライブに合わせてプチット・リュの新屋さんご夫妻が「おもてなしナイト」という企画で、バイキングとワインをサービスしていた。

人であふれていた。 新屋さんご夫妻と目が合った。

こちらに来てくれて、少し話をした。

「今日は仕込みで映画を観に行けなくて・・・」というので私は「また那覇でも自主上映すると思うので。」と言った。

「持ってきたワインがもうなくなりそうなんですよ。」と新屋さん。

盛況で何より。私は今日はライブをみて、また店にゆっくり食べに行きたいと言った。

ライブ会場はたくさんの人で埋まっていた。

直美さんはもう席に座っていた。

初日に映画をみてくれた下平さんもいて挨拶をした。

ライブは素晴らしかった。

とても楽しい時間だった。

アコーディオンのダニエル・コラン、ラウル・バルボサ、ギターのドミニック・クラヴィック、ピアノのグレゴリー・ヴィー、紅一点のボーカルのクエール・エルジエール。 アコーディオンのダニエルが、えびす様のような柔和な顔をしていて、ラウルは知的で素敵な感じ。

ピアノのグレゴリーが男前で長い指を軽やかに動かしていた。

[…]

旅する映画 その71 トロピカルツアー桜坂劇場 vol.7

2010年12月2日。夏日。桜坂劇場6日目。

今日も暑い。

桜坂での上映もあと2日だ。

毎日通るてんぷら坂。 ここで私の友人の飼っているネコと同じ柄のノラネコを見かけた。 元気にしているかなあ。

桜坂劇場の入り口のクリスマスのかざりつけをバックに子供たちが記念撮影をしていた。

撮影が終わると、劇場の方を向いてありがとうございますた!とご挨拶。

本日のお客さんは10人弱。 上映後の質疑応答の時に、女性のお客さんがこんな感想を言ってくれた。 タイトルから想像していた内容と違っていて、とてもよかった。

豊かな時間を感じた。もっと多くの人に見てもらいたいと。 ここで上映できて、この人に観てもらえてよかったなあと、また思った。

外は夏日。

金壷食堂のちまきがおいしいと、かじゅまるガーデンの直美さんから聞いたので、ひとつ買ってお昼ご飯にした。

ボリュームがあり、とってもおいしかった。

「カフェ う茶わき」にて。店主の上原リツ子さん。

近くの「う茶わき」というカフェで琉球紅茶を飲んだ。

沖縄でも紅茶がつくられているなんて知らなかった。 近所で洋裁教室の先生をしている屋富祖京子さんがたまたま居合わせ、映画の話をひとしきり。

リツ子さんはドキュメンタリー映画が大好きだそうだ。

京子さんも生徒さんに宣伝するわーと言ってチラシを持っていってくれた。

宿に帰ると、オオゴマダラの幼虫がさなぎに変身するところだった。 宿の人といっしょにその瞬間を見届けた。

オオゴマダラの幼虫

この幼虫が、ぶら下がって、赤い斑点が消えていく。

ピンとしたひげがヨレヨレになってくる。

そして下の方の節が割れ、キレイな黄金色の中身が見えてくる。

どんどん表面の黒い皮が上にめくれ上がっていき、最後に頭が落ち、さなぎになる。

金色のキレイなさなぎになる。

一番手前がさなぎになりたてです。

なりたては、表面がまだ柔らかい。

全ての幼虫がさなぎになれるわけではない。

失敗するものもいるそうだ。 3週間ほどして羽化し、そして、蝶になる。

このオオゴマダラとうい蝶は、実に優雅に空中を舞っている。

この宿の庭にも、たくさんのオオゴマダラがとんでいる。 宿の人はとても大切の育てている。

日に2回餌のオーライカガミという植物の葉を与えている。

食欲大盛だそうだ。

オオゴマダラはこのオーライカガミに卵を産みつける。 幼虫を学校などにもあげて、子供たちが観察しているそうだ。

夜。柏屋食堂にて「がじゅまる仲間」と食事。

定食が600円。20時までオリオン生ビールが200円。

いいお店である。 […]

旅する映画 その70 トロピカルツアー桜坂劇場 vol.6

2010年12月1日。晴れ。桜坂劇場5日目。

昨日とはうってかわって太陽の陽射しが暑い。 十勝の夏並みだ。

劇場まで歩いて行くだけで結構汗ばむ。

部屋からの風景。

本日桜坂劇場は映画の日。

オール800円。 10人ほどのお客さんが足を運んでくれた。 この日、上映中に初めてお客さんの笑い声が聞けた。

とても嬉しかった。

水間八重さん。 3日目に見てくれたお客さんで、ちんすこうやポストカードを持って来てくれた。 自分のブログに「空想の森」のことを書いてくれた方だ。

お土産をありがたくいただく。 いただいたちんすこう、私が1月に営業に来た時、にモノレール乗り場に小さなお店があって、その時買って食べておいしい!と思ったものと同じだった。

今回また買おうと思っていたら、そのお店がなくなっていた。

なのでとても嬉しい。

節子鮮魚店のおかみの金城奈津子さん。

3日ほど前に飲みに行ったイカした魚屋さんのおかみ。

見終わって「面白かった!」と言ってくれた。

本当に見に来てくれて、しかも気に入ってくれてホント、嬉しい。また旨い刺身を食べたくなった。

「節子鮮魚店」は、元々誠さんの亡くなったお母さんがやっていたお店。

節子はそのお母さんの名前とのこと。

物語のあるお店なのだ。

江藤直樹さん。

彼とは私が1月に沖縄営業に来た時に、辺野古の近くの「パーラーふたみ」で偶然出会った。

彼は今、「空想の森」のプロデューサーの藤本さんがつくっている映画の手伝いをしている。

4年前に沖縄に住みつき、もうすぐパーラーふたみの近くに引っ越すとのこと。

もともとスチールをやっていたが、これからドキュメンタリー映画をやっていこうとしている。

「空想の森」はとても好きな映画ですと言ってくれた。

今日のお客さんには、けっこういいことを言ってもらえて気分も上々。いい日だ。

劇場の近くの「プチット リュ」の新屋健一さん・麻衣子さんご夫妻。 ワインと沖縄食材のフレンチの店。

12月3日に桜坂劇場で「おもてなしナイト」でシャンソンのライブの前にプチット リュの食事とワインを楽しむ企画がある。 それから12月5日に桜坂劇場でフランスワイン講座があり、その講師がソムリエの健一さん。 そんなチラシを見て、この店が気になって行ってみた。

17:00~19:00はワイン2杯と盛り合わせ料理、ハーブティがついている夕暮れセットというのがあり、それを頼んだ。久しぶりにおいしいワインを飲みながら、地元の野菜やお肉を使ったおフランスの惣菜を食べた。

どれも絶品。写真を撮ったつもりが撮れてなかったのが残念。

新屋さんご夫妻はフランスで修行をして、関西から沖縄に移住してきた。

この店になって3年半になるとのこと。地元のお客さんがほとんどだそうだ。 ソムリエの健一さんとパテシエの麻衣子さん。ほんとおいしかったので、食べ物の話題で話がはずんだ。

もちろん「空想の森」のチラシも渡した。

「空想の森」をこの人たちに見てもらいたいと思った。

気分のいい人たちだった。

うまいワインと料理ですっかりいい心持ちの私は、また桜坂劇場へ。 「ペルシャ猫を誰も知らない」(イラン映画/バフマン・ゴバディ監督)と「ねこタクシー」の2本を見た。

どちらもいい映画だった。

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