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風のたより その31 福島県に県内自主避難の権利を求める会

去年の7月、滋賀県のアースデーで会津若松から参加していた木暮真由美さんに出会った。

 

そして9月、福島・会津若松に彼女を訪ねた。

その時、たくさんの方を紹介してくれて、直接お話を伺うことができた。

 

その時に、渡邊愛さんという妊娠中の女性に出会った。

放射線量の高い福島市から会津若松に自主避難して来ている人だった。

 

「生まれてくる子供の名前を決めているんです。

春の希望で、『春希』」

と話してくれたのが印象的だった。

 

年賀状に、12月、無事に元気な男の子を出産したとあり、

本当によかったなあと思った。

 

 

あれから一年がたとうとしている。

もう一度彼女を訪ねようと思い、連絡をした。

 

福島県内の自主避難者には支援がまったくない。

福島県は福島県に災害救助法を適用させていないのが事実。

私はびっくりした。

 

引っ越し費用や、それに伴う様々な出費は全て自腹。

みんな、経済的にも精神的にも疲弊してきている。

 

そこで、渡邊さん夫妻は仲間といっしょに、

「福島県に県内自主避難の権利を求める会」を立ち上げた。

3世帯で始めた会だったが、今は22世帯になったそうだ。

 

もう原発は収束したし、国も県も安全と言っているんだから、

福島市に帰っておいでという雰囲気の中、

県内自主避難している人たちは、大変な思いをしている。

 

原発事故は終わっていない。

 

 

福島県に県内自主避難の権利を求める会のブログ

http://blogs.yahoo.co.jp/kennai_jishuhinan

 

奥田さんからの旅の報告

第6回の大間原発の裁判を傍聴した滋賀県彦根市の奥田さんから、旅の報告がきました。 以下、奥田さんの文章です。

「函館・大間を旅して」

 

滋賀県彦根市 奥田好香

 

私の今回の旅の目的は、大間原発の原告になったのをきっかけに、函館での裁判を傍聴することと、

原発立地の本州最北端の青森県大間町で、最後まで建設予定地を売らずに原発建設に反対された

熊谷あさ子さんの家「あさこはうす」へ行くこと。

ドキュメンタリー映画「空想の森」の主人公だった山田圭介さんの北海道大沼にある山田農場へ行くことだった。

 

6月7日に函館入りをして裁判前日の弁護団会議に途中参加した。

会議室は緊張した面持ちで、明日の裁判で意見陳述をする訴訟の会代表・原告の竹田とし子さんと

元大間町議員の佐藤亮一さんのリハーサルをされていた。

そこに居る事が場違いな感じがして私自身が緊張した。

 

6月8日(金)午後2時より裁判開始。

その一時間前ぐらいに傍聴席の抽選があった。

函館に来る前に傍聴席が少ないので法廷に入れないかもと聞かされていた。

私は、幸いにも原告席で傍聴する事ができた。

現在、原告は400名弱、今日の裁判にも大阪や京都・東京からなど、全国から人が集まっていた。

 

今回の裁判は、裁判長や裁判官の交代のため、何故訴訟に至ったかを一から説明する。

初めて裁判を傍聴した私には、中野弁護士のこれまでの事をまとめたバワーポイントを使ったプレゼンテーションは、わかり易かった。

 

特に印象深かったのが、原発立地国で地震の多い所に原発が建っているのは日本だけだということだった。

諸外国では、地震の起こる危険性のない所に建設されている。

その事を今回初めて知った。

 

地震大国の日本での福島の原発事故は予測可能なものだったように思った。

現在建設中の大間原発は、世界でも初めてという燃料がウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料。

世界でも初めてという原発を、今まで原発を経営したことのない電源開発が運営すると。

大間原発が稼働し、万が一事故が起こったらどうなるのか想像するだけでも恐ろしかった。

 

竹田とし子さんと佐藤さんの意見陳述は心に響いた。

裁判は、テレビで見るような弁護士と検事とのやり取りもなく淡々としたものだった。

原告席は、狭い長椅子にぎゅうぎゅう詰で傍聴した。

時間は、あっという間に過ぎた。

 

翌日は教会で集会があり、その後、脱原発のパレードがあった。

両方に参加。

パレードは思った以上に参加人数が少なかった。

函館市民は、大間の事をどう思っているのだろうか。

函館から大間まで近い所は18㎞。

 

その後、30数年間原発建設に反対してきた熊谷あさ子さんの建てた「あさこはうす」へ行った。

あいにく、娘の小笠原厚子さんは不在のため、了解を得て周辺を見せていただいた。

 

「あさこはうす」へ行くには、電源開発の道路を使わないと行けず、見張り小屋がある所から自宅まで1キロあり、

道路の両サイドは鉄柵がめぐらせてあり異様な光景だった。

[…]

撮影報告 その123 小出裕章さんの講演会 in 函館

 

2012年6月23日(土)。

今日はいよいよ小出さんの講演会だ。

野村さんやパザールパザールに國立さん、トモカちゃん、山田農場のあゆみちゃん、加藤さん、こなひき小屋のおかみさん、ハルエさん、などなど、たくさんの人たちがこの講演会の準備をしてきた。

初めて行く会場なので早めに行こうと支度をしていたら親方から電話がきた。

大沼方面のパンの配達の後、私をピックアップしてくれて親方と会場に一緒にいくことになった。

よかったー!交流会でお酒が飲める!と私は嬉しくなった。

 

11:30過ぎ。親方が時間通りにやってきた。

機材を積み込み、会場へ向かった。

今日の小出さんの講演会は代表者二人が質問することになっていた。

それがあゆみちゃんと親方だ。

食べ物に携わる人たちの気持ちをみんなで共有したいという、この会の言い出しっぺの野村さんの想いがこめられている。

 

会場に到着。

体育館のような広い会場。500人ほど入る。

靴をぬいで出入りする。

左からハルエさん、オカダさん。

大勢のスタッフの人たちが、すでに準備を始めていた。

聡美さん。

ハルエさん、岡田さん、佐々木さん、丸山さん、聡美さんたちは受付周りの用意をしている。

山田一家。

圭介さん、松浦さんは、お客さんにスリッパを渡す係。

左から野村さん、あゆみちゃん。

野村さんはあゆみちゃん、親方と打ち合わせ。

親方とユウサクとコウサク。

 

会場の中はすでに椅子が並べられていた。

左から野村さん、國立さん。

國立さんは全体の流れを見ながらこまごまと働いている。

 

トモカちゃん、エリーは物販。

竹田さんは大間原発関係のコーナーをつくっていた。

 

正面には大きなスクリーンがさがっていた。

加藤さんがパワーポイントの機材をセッティングしていた。

私はその後ろに三脚を立てることにした。

 

[…]

撮影報告 その121 30年ぶりの大間のデモ

2012年6月17日(日)。

昨日は少し飲み過ぎた。

ここから会場まで歩いていく。

10:30。竹田さん、野村さん、石川さんと会場へ向かう。

空模様は曇り。

雨が降って来そうな感じもする。

私と石川さんはそのまま、デモのロケハン。

 

車を出しやすいところに駐車して、キャメラを持って会場へ歩いていく。

会場に近づいていくと聞き覚えのある歌声。

苫米地サトロさん

サトロさんだった。

「手紙」を歌っていた。

キャメラを回し、息を切らせながら会場へ入った。

サトロさんが歌っていた。

2010年の夏、ヒューマンドキュメンタリー映画祭で会ってから2年になろうとしていた。

宮城の旦理町に暮らしているサトロさんは被災していた。

元気に歌っている姿をみて、嬉しくなった。

 

演奏の後、ハグをして再会を喜び合った。

近況も手短に話した。

サトロさんは震災の後に書いた手記のようなものをくれた。

反対集会が始まった。

訴訟の会の竹田さんが挨拶。

事務局の大場さんが大間の裁判の報告。

そして野村さんが反対集会の宣言文を読み上げたりしたので、私はずっと撮影をした。

 

13:20。

デモのスタート地点に大勢の人が集まった。

雨が降らなくてよかった。

主催者発表で200人の人が参加した。

4列くらいに並んで、長い列ができていた。

デモの先頭

警察もやってきた。

気分が高揚してきた。

私はスタートの時間をにらみながら撮影を開始した。

少し小高くなったところに車を移動した。

そこでデモのスタートを待った。

 

時間ぴったりにデモは始まった。

デモ行進が近づいてきたところで私は車に飛び乗り、一気に消防署の前まで移動した。 […]

撮影報告 その120 大マグロックと澤井さんの学習会

 

2012年6月16日(土)。

11:00。 天気も上々。大マグロックの会場へ。

海側にステージが設置され、出店、トイレも配置されていた。

昨日の下見の時は狭いのではと思ったが、きゅっとしてなかなかいい空間になっていた。

 

この日は大間訴訟の弁護団の一人、中野弁護士が友人の岩崎さんとステージで歌うので、それをしっかり撮影しようと思っていた。

 

お昼頃、函館組がフェリーで到着し続々と会場入り。

左から奥本さん、大場さん。

石川さんもやってきた。

中野さんはステージの脇で準備をしていた。

ウタちゃん、ケイジロウくん、中野家が勢ぞろいだ。

父ちゃんは張り切っていた。

 

友人の岩崎さんを紹介してくれた。

柔らかい感じの人だった。

岩崎さんはミュージシャン。

山梨でカレー屋さんをしている。

中野さんは以前から彼の店で「空想の森」の上映会をしたいと言ってくれていた。

中野さんには試写用DVDを見てもらっていた。

「ボク、空想の森大好きです。」と言ってくれて私はテンションが上がった。

岩崎さんもぜひやりましょうと言ってくれた。

私は、まずDVDを送るので見て気にいっていただけたらお願いします。と言った。

 

それにしても、もし上映会をやることになったら面白くなりそうだなと思った。

岩崎さんは歌を歌えるし、中野さんにも来てもらって、大間原発の話もできるし…。

山梨は果物もおいしい、ワインもある。

いいなあ。

左から中野さん、岩崎さん。

中野さんと岩崎さんのライブが始まった。

中野さんの歌は理屈っぽい歌詞のもあれば、率直で情熱的なものもある。

気持ちよさそうに熱唱していた。

ジーンズにシャツ。

中野さんにはスーツよりこっちの方が似合う。

 

私が大間の裁判に通い始めた頃、弁護団の中でも率直にはっきりモノを言う若い中野さんの話を聞きたくなってインタビューを申し込み、江差まで話を聞きに行った。

あれから一年、私が言うのもおこがましいが、中野さんはずいぶんと頼もしい弁護士さんになった。

YAMさん

大マグロックを切り盛りするYAMさんは相変わらずカッコ良かった。

もう一方、このイベントの中心人物・中道さんも愛犬といっしょに張り切っていた。

 

[…]