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撮影報告 その71 大間原発訴訟第二次提訴

2011年12月5日。

朝、窓の外は雪景色。

そして降り続けている。朝ごはんを食べ、撮影機材を積み込む準備をしていたら、空は少し明るくなってきて、時より青空も見えたりした。

左から、野村さん、一坪くん。

11:50。家の前で野村さんと記念撮影をした。

そして私と一坪君は弁護士会館に向かう。

弁護士会館。

大間訴訟の会事務局の大場さんと森越弁護士は弁護士会館の中で今日の第二次提訴前集会の準備をしていた。

私は挨拶をして今日の流れをざっと聞く。

隣の裁判所の前には報道陣が来ていた。

私たちも外から雪景色の裁判所や弁護士会館を撮影したりした。間もなく竹田さん、森越さん、林さんなどがやってきた。

第二次提訴で原告になった人は208人。

この中の一人が私だ。

去年7月の一次提訴の原告は170人。

現在378人が原告になった。

この雪で集会に来た人は少なかった。

しかし、新たに加わった208人の人たちが思いを共にしているのだ。

裁判所に訴状提出の前に弁護士会館で集会。大間原発訴訟の会代表の竹田さん、森越弁護士などが挨拶。

そして大間原発反対の横断幕を持って、弁護士会館から裁判所までを歩いた。

一坪君に撮影してもらっているので私もいっしょに歩いた。

裁判所へ入っていく原告の人たち。

 

そして原告たちは裁判所の中へと入っていき、建設差し止めなどを求める訴状を裁判所に提出した。

訴状を提出する際、新たに原告になった人たちが、裁判所の職員になぜ反対なのか一言言って渡したそうだ。

私も原告になったのだから裁判所の中に入れたのに、頭の中は撮影モードだったので、一坪君と裁判所の前でみんなが出てくるのを待ち構えていた。

裁判所に訴状を渡し、弁護士会館へ帰っていく。

しばらくして、訴訟を提出した原告、弁護士たちが出てきて、雪の中を弁護士会館に戻っていった。

 

大間訴訟の会代表・竹田とし子さん。

そして引き続き弁護士会館の2階の部屋で、新たに原告になった4人の人と、竹田さん、森越さんが、提出の報告をした。新たに原告になった人たちも自分の思いを話した。

やはり、3.11後、私と同じように思って原告になった人がいた。

代表の竹田さんは、200人もの人たちが思いを同じくしたことを嬉しく思い、共に大間原発を止めていきましょうと挨拶をした。

 

森越弁護士はこれから3次、4次原告と、原告の人を増やしていき、大間を止めていきたいと言った。

福島のことなどを付け加えた新しい訴状もできて、500円で販売していた。私も1冊購入した。

訴状です。

 

2時過ぎ、撮影を終えた。

 

[…]

撮影報告 その70 大間原発訴訟第二次提訴前集会

亀田福祉会館にて。大間原発の第二次提訴前集会。

2011年12月4日。

8:30に起床。天気はいい。

今日は結構あたたかいが、それでも薪ストーブの火をつけた。

 

ペコちゃん。

石川さんはすでに起きていて仕事へ行く準備をしていた。

それからお湯をわかし、コーヒー豆をひいた。そのうち、野村さん、一坪君も起きてきた。

パンを焼いて、昨日のキムチスープをあたため、朝食。カケス、シジュウカラ、アカゲラなど野鳥を眺めながら朝食を楽しんだ。

まもなく石川さんは仕事に出かけて行った。

一坪君は薪を運んでくれた。私は掃除機をかけた。

そして私は事務仕事にかかった。

野村さんはある食材でスープをつくっていた。

そうこうしているうちに、お昼頃、親方が帰ってきた。

親方に燻製の道具を見せてもらう。

 

 

今日は13:30から、亀田福祉会館で大間原発の第二次提訴前集会の撮影。

撮影の準備をして荷物を車に運び込み、野村さんと一坪君といっしょに12:30過ぎに親方の家を後にした。

左から訴訟の会事務局の大場さん、野村さん。

竹田さん、大場さん、森越さんたちがすでに来ていて準備をしていた。

一坪君を紹介して早速撮影を始めた。

 

山田圭介さんとコウサク。

間もなく山田一家も元気にそろってやってきた。

山田あゆみさんとハルサク。

今回はキャメラを二つ使って撮影した。

一坪君は三脚を立てて全体の撮影、私は手持ちでねらった人の撮影。

まず、訴訟の会の代表の竹田さんが挨拶。

それから今までの裁判で意見陳述をした4人が思いを話し、意見陳述したものを読み上げたりした。

山田あゆみさんの話はやはりとても良かった。

福島から函館に自主避難できている鈴木さん。

それから福島から函館に自主避難できている鈴木さんが話をした。

そして野村さんがフルMOXの危険性をパワーポイントで説明。

 

 

 

最後に森越弁護士の話。

みんな色々話したいことが多く、終了時間をかなりオーバーした。

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撮影報告 その60 嵐の中の原発学習会

大間の漁師・山本さんの家の玄関に20年以上も前からはってあるステッカー。 2011年11月24日。 山本昭吾さん、朱美さんご夫妻。 10:00。強風。奥本さんが宿に迎えに来てくれる。 そして今回漁の撮影をさせてくれることになった山本さんのお宅へ連れて行ってくれた。 私は少し緊張していた。 山本さんと奥さんの朱美さんは私たちを快く迎えてくれた。 今日は初対面なのでとにかく撮影の趣旨を話し、どういう人なのかお互いにわかったらいいなあと思っていた。 漁の船には女は乗せないのが普通で、乗せるとしたら自分の奥さんだそうだ。 山本さんが女の私を船に乗せてくれるということは特別なことなのだ。 奥本さんとの信頼関係があってこそ、了解してくれたのだと思う。 山本さんが訥々と穏やかに語る話はとても興味深く、私たちは話にひきこまれていった。ヒルイカ、海の底の地形の話、漁場の開拓の話、震災後の漂流物の話、ソ連が核廃棄物を海に捨てたものを実際海で漂流しているものを発見した話、原発の話、お二人の馴れ初めの話など、色々な話をしてくれた。 お昼ご飯もご馳走になった。漬物がとてもおいしかった。 滋賀県に滞在していた時に持っていた素材のテープで「山田農場から全国の人へのメッセージ」という12分くらいにまとめたDVDを山本さん夫婦に見せた。 これは、道南の大沼で山にヤギや牛を放牧してそのお乳でチーズをつくっている山田圭介・あゆみ夫妻がなぜ大間原発の建設に反対しているのかということを、12分くらいに編集したものだ。 そしてなかなか話が尽きず、結局15:00頃までお邪魔した。 私はすっかり山本さん夫妻が大好きになった。 山本さんに出会えて本当によかった。 帰りの車の中で野村さんとコーフン気味で話をした。 外はものすごい風だった。 5時過ぎ。 私たちは少し早めに私たちは学習会の会場の大間町公民館へ向かう。 とても年季の入った建物だった。 奥本さんと佐藤さんが会場の準備をしていた。私も撮影の準備をした。 大間町公民館 外はものすごい雨と風。嵐だ。 大間原発裁判の状況について報告する予定だった大間訴訟の会の事務局の大場さんはフェリーが欠航したため来られなかった。 なんていう天気になってしまったのだと思った。 大間で24年ぶりに行われた原発の学習会

開始の時間になった。全部で20人弱の人が集まった。 先ほど会った漁師の山本さんも来てくれた。 しかし関係者を除くと、かなり人数は少ない。 主催者の奥本さんと佐藤さんの挨拶の後、講師の石丸小四郎さんの話が始まった。 石丸小四郎さん 石丸さんは福島県双葉郡の郵便局に勤めながらずっと反原発運動をしてきた人。 今回の福島第一原発の事故で、自分の家には帰れなくなった被災者の一人でもある。 石丸さんが話すひとつひとつの言葉が重く響いた。 今福島ではとんでもなく高い放射線量の中で暮らすことを強いられている現実、自分の家ではない今の暮らしは本当に疲れること。 当たり前にあった日常が奪われたことのつらさがひしひしと伝わってきた。 そして私は大間原発のことを考えずにはいられなかった。 話の途中地震があった。 結構揺れが強く、講師の石丸さんは後ろに会った本棚を抑えていた。 大場さんの代わりに、奥本さんが大間原発裁判の状況について簡単に報告をした。 今回の学習会にあまり人が集まらなかったけれど、これからも色々な角度から原発の学習会を続けていきますと奥本さんは言った。 そして交流会は向かいの焼き鳥屋。 石丸さんを囲んでさらにまた色々な話をした。 私は石丸さんの話が聞けて本当に良かった。奥本さんはきっと改めて大間の現実は厳しいと感じたのだろうと思う。 でも私はこんな嵐の日に20人弱の人が来てくれたことはすごいことだとも思う。 大間原発の工事は福島の事故以来今ストップしている。 しかし工事再開に向けて県や町も動き出している。 私も自分に何ができるのか考えている。 […]

撮影報告 その59 大間へ 

2011年11月23日。

 

函館発17:00の船で野村さんといっしょに大間へ向かう。 天気も良く海も穏やかだった。 冬の津軽海峡は荒れることも多くよく欠航になる。 実際前日の午前の便は結構になっていた。 24日に奥本さんたちが、24年ぶりに原発学習会を企画した。 その学習会の撮影と、漁師さんのインタビュー・漁の撮影が今回の大間の目的だ。 漁の撮影は、「空想の森」のスタッフの一坪君にやってもらうことにした。 彼は今長崎で高倉健主演の映画のロケをしていて、ちょうどもうすぐクランクアップするので、25日には大間に来られることになった。今回はそれも私はとても楽しみなのだ。 道新の内本さんともいっしょになる。彼女も学習会の取材に行くとのこと。 旅館の部屋からの眺め 大間に着くと、奥本さんが出迎えてくれた。今回奥本さんがとってくれた宿は港の真ん前の旅館。 私たちの部屋から海が目の前に見える。 後で宿のおばさんから聞いたのだが、「魚影の群れ」という映画のロケで緒方拳がこの部屋に泊まったそうだ。 そして奥本さんの行きつけの居酒屋にて夕食。 奥本さんと久しぶりに会い、明日、24年ぶりで原発の学習会をするということで、3人とも気持ちが高ぶっていた。 奥本さんと話がはずみ、私はついつい少し飲み過ぎた。

撮影報告 その58 夜の原発カフェ  パザールバザール 函館

2011年11月21日。 この日、この冬初めての芯から冷える寒さがやってきた。

新得の宮下さんの家に遊びに行った。

お昼ご飯はおろし蕎麦をごちそうになる。

今年の蕎麦の実落としも、共働学舎の大越さんとやったと宮下さんから聞いた。

そして新内蕎麦がちょうどできあがってきた。 大根、人参、白菜、キャベツをたくさんいただく。

明日から撮影で函館へ出かけるので、みんなのお土産にさせていただくことにした。

 

2011年11月22日。

函館は十勝よりずっと雪が多かった。 今晩19:00からパザールバザールで4回目の原発カフェがある。

野村さんの家に寄り、乗り合わせて行く。 すでに、7人以上の人たちが集まっていた。

私は初めてお会いする人が多かった。 私は映画のことを簡単に説明し撮影させてもらうことにした。

なぜ原発カフェに参加したのか、不安に思っていること、疑問に思っていること、食べ物のことなど思い思いにみんなが話す。

その時思っていること、感じていること、経験したことなどを気張らず話すことができる場だと私は思っている。

この場のとらえ方はきっとそれぞれなのだろうが、参加する人次第の雰囲気・場になるところもこのカフェの魅力だと思う。

 

パザールバザールの2階の部屋はいっぱいいっぱいになった。

 

遅れて大沼の山田あゆみさん、山田聡美さんがやってきた。

三男のハルサクを抱きながらあゆみさんは一番にこんなことをみんなに話した。

山田農場は11月上旬にドキドキしながらミルクを放射能検査に出したそうだ。

その結果がきて、最低検出の数値はあるが、検出されなかったことにホッとしたこと。

山田農場は山の牧草地の草を食べているので、土壌は大丈夫ということだ。本当によかった。

みんなの注文がひと段落し、パザールバザールの國立さん夫婦も参加。

國立さんは原発カフェではなくても、小人数で原発などの話をしたい人がいたら場所を提供しますよとみんなに言った。

妻のトモカちゃんが大間原発が稼働したら、みんなどうしますかという質問をしたり。

前回の原発カフェは私は参加できなかったが、30人もの人が集まって大盛況だったそうだ。 今回も10人以上の人が集まり、色んな話が出てとても面白かった。23時くらいに会を終わりにした。

あゆみちゃんは、普段朝の早い仕事でとっくに眠くなる時間だから居眠りしちゃうかなと思っていたのにしなかったと後で言っていた。

その後、まだ話し足りない野村さん、米田さん、私、そして國立夫妻でビール1杯だけ飲もうということになった。

しかし案の定、気が付いたら2時を回っていた。 國立さんに野村家まで送ってもらい、お茶を飲みながらまた話し、明け方、ようやく眠りについた。

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