会津太陽光発電株式会社にて。 この他に男性社員が二人います。中央が代表取締役の折笠哲也さん。
2012年9月8日。
渡邊さんの家を後にして一度ホテルに帰る。
今日はとても天気がいいが、とても暑い。
フロントの方にお願いして、屋上から会津若松の町を撮影した。
夕方、折笠さんの話を聞きに、新しく立ち上げた会社へ向かう。
折笠さんも一年前にお話を伺った方。
当時、飲食店を経営していて、三人の子供の父親でもある。
「ジレンマの中でもがいている。でも子供たちが希望だ。
新しい事業を立ち上げようと思っている。」
とその時の気持ちを率直に話してくれた。
苦しい気持ちの中でも、明るく前向きに生きて行こうという姿勢が印象に残っていた。
そして今年の2月に経営していた飲食店をスタッフに売り渡し、
太陽光の会社を設立したのだった。
折笠さんはまっすぐに進んでいた。
自分たちのエネルギーは自分たちでつくり、消費したい。
折笠さんは利益が出るようになったら、地域に還元したいと思っている。
地域の人たちとたくさん交流して、地域を面白くして、活気をつくり、
子供たちがここで生きていきたいと思うような町にしたいと。
いっしょに自分たちのコミュニティをつくっていきたい。
そのための会社であると。
福島が太陽光や小水力や風力などで自分たちの使うエネルギーを全て自給していくことこそ、
福島の生きていく道なのではないかと。
そうして雇用を生み、自分たちの中でお金が回っていけるようになったらと。
放射能に関しては、前と全く状況は変わっていないという。
やはり、不安を抱えながら日々、気をつけながら暮らしていると。
ただ、会津若松で生きることを決めたので、このことはこれからもずっとついてまわる問題だと覚悟しているという。
子供たちが大きくなってどういう問題が出てくるのか。
健康上のこと、そして結婚問題になったとき・・・。
そのことも分かったう上での選択と決断。
新しい会社を立ち上げること。
どれほど考えたことか。
折笠さんは男前だなあと改めて思った。
撮影が終わり私が帰る時、スタッフ全員が外に出て、見えなくなるまで見送ってくれた。
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