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信級日記 vol.28

令和元年10月7日

6:30 起床

7:00 朝食

柳屋さんは、最後の撮影日。

植野くんの仕事の撮影に向かう。

先日焼いた炭を出し、窯の余熱で玄米を焙煎する。

8:15 出発

炭焼き窯に到着すると、炭出しの前に母屋横の土蔵で米の籾を落とす作業があるとのこと。

撮影隊3人も軽トラの荷台に乗っけてもらい一緒に行って撮影させてもらう。

そして、炭焼き小屋に戻った。

掻き出した炭は思ったよりも少なかった。

炭を出した後は、床を入念にはいて綺麗にしていた。

そして玄米を焙煎用の筒状になったドラム缶に入れる。

それをスライドして窯に入れ、蓋をする。

ドラム缶は自動でグルグル回る。

途中で焼き加減を確かめるため、何度か玄米を味見。

私たちも食べさせてもらった。

香ばしくて美味しい。

焙煎している間に、小屋の前で植野くんのインタビュー。

せっかくスタッフがいるのだから、私がインタビュアーになって植野くんの話をきちんと聞いてみようということになったのだ。

一坪くんと柳屋さんが、植野くんの考えていることを聞くことができるし。

初めは20分くらいで玄米が炒り上がる。

時間が経つにつれ、余熱が低くなっていくので焙煎時間が長くなっていく。

初めの方の焙煎は撮影をした。

3回目の焙煎の時にインタビュー。

祭りの後の高揚感もありつつ、インタビューを開始した。

撮影を終え、植野くんと記念写真。

宿舎に帰る時、もうすぐお昼になるところだった。

せっかくだからお昼の音楽も録音しようということになった。

柳屋さん、岩下公民館の放送の流れるスピーカーの下のあたりで録音。

音楽の終わりかけに、滅多に通らない車がブーンと走っていった。

あらら。

[…]

信級日記 vol.27

令和元年10月6日

7:50 起床

ありちゃんが朝食をつくってくれる。

イモと豆にオリーブオイルをかけて醤油をたらす。美味しい!

いよいよお祭りの撮影だ。

外へ出てみる。

空は雲で覆われている。降ってきそうな感じだ。

雨対策もして、撮影機材を準備。

11:45 その前に岩下集落へ。

当信神社のお祭りの前に岩下集落の人たちで岩下のこんぴらさんにお酒を捧げ、

公民館にみんなで集まりお祝いをするならわしなのだそうだ。

[…]

信級日記 vol.26

令和元年10月5日

5:45 起床

一坪くんと二人で信級小学校、メイン通りの撮影。

柳屋さんは、宮平の上の方で音の録音。

戻って朝食の準備。

栃木からありちゃんがやってきた。5、6日と撮影のヘルプをしてくれる。

なんとも心強い援軍だ。

8:00 4人で朝食。

朝食後、4人で散歩。宮平の上の方へ歩いていく。

今日は夜の撮影があるので、昼間はなるべくゆるりと過ごそう。

お昼は昨日の余ったご飯を焼きおにぎりにして食べた。

「午後から、炭の火入れをします」

植野くんから連絡が入った。

13:45 植野くんの炭焼き小屋へ4人で撮影に向かう。

天気は上々。

炭焼き小屋の脇で植野くんの友人のアンナがアート作品を製作中だった。

彼女は美術大学の学生で、10月13日に当信神社でイベントを開催することになっている。

そのイベントでは植野くんが踊りをやるとのこと。それを撮影させてもらう予定でいる。

撮影は一坪くんと柳屋さんに任せられるので、私は全体を見渡すことができる。

道沿いで植野くんのお隣さんのシゲトさんが畑仕事をしていた。

「また来ましたー」とご挨拶して、ひとしきりおしゃべり。

火入れも終わり、植野くんが岩下の会所の人たちのところへ私たち撮影隊を連れて行ってくれた。岩下のお祭りの撮影をさせていただくので、その前にご挨拶に行った。

信級には岩下、柴原、坂井、中村、日向畑、岩本、宮平、宮之脇、林、栃ノ木などの集落がありその集落の代表のような人を会所と呼んでいるとのこと。

悦子さん、兼備(かねまさ)さん、和子さん。

「明日のお祭り、撮影させていただきます。よろしくお願いいたします。」とご挨拶。

みんなにこやかに対応してくれた。

そして当信神社へ。宮司の久保田さんにご挨拶。

代々この神社の宮司を務めてきたそうだ。とても陽気な方だった。

神社のこと、色々お話をしてくださった。

お祭りの神事も撮ってほしいとのことで、カメラマンだけ中に入って少し神事を撮ることになった。

宿舎に戻り、ご飯を手早くすませる。

19:30信級小学校へ。神楽の前日練習の撮影。

獅子が2つ、畳の上に置かれていた。

結構迫力があるものだ。

みんなそれぞれ準備。

西川さん親子が太鼓を締めていた。

浅野さん、加藤さんもやってきた。

タツミさん、ヒロシさん、師匠たちも揃った。

[…]

信級日記 vol.25

令和元年10月4日

朝起きて外に行く。向かいの山に雲がたなびいている。

いい景色だ。

信級のメインストリートが谷沿に走っている。

その道の両側に山。

私たちの宿舎は信級小学校がある山の向かいの山の中腹にあり、小学校とほぼ同じくらいの標高。

「ここに橋がかかっていたら小学校まですぐなのに・・・。」と小学校の頃思っていたという、宮平に住むヒロシさんがいうのも納得する。

一坪くんが朝一で撮影していた。

7:00 朝食。ご飯、味噌汁、缶詰(千葉産直サービス)、切り干し大根(お酢と醤油につけたもの)

鹿谷城跡へ。信級のロングを撮影に行く。

前にイチローさんに連れて行ってもらい、私が初めて信級で撮影した場所だ。

信級小学校の少し上に車を置き、そこから20分くらいの山歩き。

一坪くんは重い三脚も担いで軽々と登って行く。さすがだ。

柳屋さんの機材は結構重そうで大変そうだった。

雨がパラパラ降ったりもしたが、まだ太陽も出ていていい景色だった。

信級の本鹿谷のほぼ全景が見えるポイントで撮影。

3人でこの景色を見ることができて私は嬉しかった。

まだ稲刈りをしていな田んぼも少しあり、それが黄金色でとても美しかった。

宿舎へ戻り、昼食。

ご飯、味噌汁。

一坪くんが玉ねぎ、大根葉、白菜で一品おかずを作る。

10月6日は当信神社の秋祭り。

植野くんたち新しく信級に移住した人たちが師匠たちから受け継いでいる神楽を神様に奉納する。

獅子が植野くんと加藤さん。笛が浅野さんと心一郎くん。太鼓が西川さん。(心ちゃんの母)

今回はその撮影をメインに据えた。

植野くんが宿舎に来てくれた。

5日、神楽の合同練習と6日祭り当日のことを詳しく教えてもらう。

5日の合同練習には獅子、笛、太鼓、それぞれの師匠も来て直接指導してくれるという。

6日、祭り当日、当信神社のお祭りの前に、植野くんの住む岩下でも岩下の金比羅さんにお酒を捧げ、公民館に集落の人たちが集まり飲んで食べる会があるとのこと。

祭りの流れや神楽の位置など詳しく聞いて、撮影や録音をどのようにするか、みんなで考えた。

午後、玄米コーヒーをつくるために、炭にする木を炭焼き窯に入れる作業があるということで、私たちは撮影に行くことにした。

撮影が終わると、キャンピングカーの中で中谷さんと清美さんがコーヒーをご馳走してくれた。

メイン通りの日向畑を左折して山に上がっていくと宮平。

宿舎に帰る途中、日向畑で吉沢哲明さん(てっちゃん)に会う。

ご挨拶をし、スタッフを紹介する。

てっちゃんはいつものようにとりとめなく話を始めた。

ひとしきり話し、私たちは宿舎へ帰る。

一坪くんと撮った映像を見ながら色味の話をする。

もう少し黒をシメた方がいいかということになる。

私はついでに色温度のことを一坪くんに質問したりした。

[…]

信級日記 vol.24

令和元年10月3日

朝ごはんをいただき、家の裏のを見せていただく。

表からではわからなかったが、眺めがとてもいい。

バーベキュースペースはご主人と一緒につくったそうで、とても素敵な空間だった。

梅、梨、リンゴ、オリーブ、綿、いろいろなものを育てている。

玉井さん、お世話になりました。

そして信級へ。

植野くんの家に寄ってご挨拶。

そして今回、宿舎としてお借りする宮平の家へ。

家主の池田さんが早速家の中を一通り説明してくれた。

家の脇の畑にある大根、ネギ、白菜、野沢菜、そして、芋、玉ねぎ、

土間に置いてある新米、冷蔵庫の中の味噌を自由に食べていいですよと。

なんてありがたいこと。

全て池田さんがつくったものだ。

台所の脇の小部屋に炭ごたつがある。

土間に炭とバーナーを用意してくれていた。

これも寒かったら使ってくださいとのこと。

炭も池田さんが焼いたものだ。

水は山から引いている天然水。

お風呂も入れる。

まさに至れり尽くせりだった。

信級の中でも山の中腹に位置し、朝日が一番に当たる宮平に泊まってみたいと思っていた。それが叶ったことも嬉しい。

車の中の荷物を家の中にせっせと運び込む。

大きな土間を挟んで、右側が台所とトイレと風呂。

左側に4つ部屋がある。

私は奥の部屋を使うことにした。

お昼過ぎ、

「かたつむり食堂に着きました!」と一坪くんから電話あり。

久しぶりの再会。

一人での撮影がほとんどの私にとって、

今回は撮影部・録音部がいる贅沢な撮影なのだ。

一坪くん、柳屋さん。

技術的なことももちろんあるけど、私はこの二人の人間性に惹かれる。

一坪くんは「空想の森」、「風のたより」で一緒にやってきた昔からの仲間。

柳屋さんは「風のたより」の整音、ダビングミックスをやっていただいたのが初めての出会いだった。

映画、テレビの現場で経験豊富な録音技師の柳屋さん。でもドキュメンタリー映画の現場は初めてとのこと。私は一度現場を一緒にやってみたいと思っていた。

それが叶ったこともとても嬉しいことの一つだ。

嬉しくてテンション上がり過ぎてしなわないようにしなければ。

かたつむりで昼ご飯。

純子さん、石坂さん、関口さん、NPOの人たちと森のプロジェクトの打ち合わせをしていた。

みなさんにスタッフ紹介。

そして宮平の宿舎へ。

石坂さんの家の前で、大きなキャンピングカーとすれ違う。

中谷さんと清美さんだった。

中谷さんたちも今日信級に帰ってきたとのこと。

宿舎へ戻り、池田さんに二人を紹介。

コーヒーを飲んで一休み。

そしてこれから撮影をする場所へ行く。

[…]