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信級日記 冬 vol.38

令和二年12月17日

7:00 起床。味噌汁を作り、簡単に朝食。

台所は大きな窓がある。

雨が少し降っていて、山に雲がたなびいていた。

一坪くんは外に撮影に出た。

私は台所、洗面台など掃除。

浅野さんがヤカンを持ってきてくれた。

てっちゃんの家が水がちょろちょろしか出てないこと、浅野さんは知らなかった。

向かいの浅野さん、加藤さん、亡くなったマルカの兄さんの家は

同じ水源から水を引いている。

川を挟んだてっちゃんちだけ水の出が悪い。

「吉澤さん、言ってくれればいいのに。川を渡しているパイプが詰まっているかもしれない。一度チェックしてみましょう。教えてくれてありがとうございます。」

と浅野さんは言った。

雨が小降りになってきた。

撮影に出発。

長者山方面へ車を走らせる。

どんどん天気が良くなってきた。

開けて集落が見える場所で車を止め、撮影。

雲が湧いてたなびいて。幻想的。

刻々と変わる風景。

長者山の駐車場まで行き、展望台まで歩く。

雲がかかり眺めはよくなかった。

引き返す途中、関口さんの土蔵と畑で撮影。

前に降った雪が草の上に少しあった。

雲が下から上がってきたり、急に強い風が吹いたり、

雨がバラバラ落ちてきたり、目まぐるしく天気が変わった。

お昼になったので、さぎり荘へ。

私はカレー、一坪くんはカツ丼。

そして信級のホープ、心ちゃんの新居へ。

心ちゃんは、イチローさんの家の川を挟んだ向かい、平林さんの裏の家に自分の居を構えることにしたのだ。

行ってみると、家の裏手で何やら作業をしていた。

家の中にあったものを全て出し、自分の荷物の運び込みは終わったそうだ。

家の前には、窯もつくっていた。

ただ、馬屋だった部屋の下に水が溜まっていた。

このままだと住めないので、外のコンクリの側溝を外して馬屋の地面よりも低くして排水できるようにしようと、妹のマヨちゃんと作業しているところだった。

マヨちゃんは心ちゃんの家の部屋を借りて木工の工房を作りたいそうだ。

それを手作業でやっているのがすごい。

大変なことだ。

「根雪になる前に終わらせたいです。」

と心ちゃんは言った。

心ちゃんの家を後にして、車を走らせていると、

関口さんの家の近くで、石坂さんとシェーンに会った。

「かたつむりに泊まっていいんだよ。台所も使えるし。」

と石坂さん。

撮影隊がてっちゃんの家に泊まっていることを

大丈夫かしらと心配してくれている。

「今のところ大丈夫です。どうしてもの時、泊まらせてもらいます。」

と私は言った。

そして関口さんの炭小屋へ。

ちょうど、窯の中へ炭にする木材を運んでいるところだった。

サービス精神旺盛な関口さんは仕事の手を止めて話をはじめた。

「いつも仕事の邪魔をしてしまい悪いので、仕事を続けてください」とお願いした。

いつもはそれでも座って話をし始める関口さんが、今回は仕事の続きを始めてくれた。

私たちは邪魔にならないよう撮影を開始。

こうして、関口さんの炭焼きの仕事をしているところを、私たちは初めて撮影できた。

炭窯の中いっぱいに木材を詰めていく。

穴を泥で塞ぐ。

ああ、こうやって何十年も信級で炭を焼いてきたんだなあ。

途中、イチローさんがやってきた。

いつもの散歩コースとのこと。

相変わらず大きな陽気な声。

もう一人、農機具の会社の人もやってきた。

しばし3人でおしゃべり。

信級の過疎化。このままだと集落として成り立たなくなってしまう。

どうしていったら活性するか、他の過疎の集落の人たちと交流して話し合いをしたい。

関口さんは、いつも言う。

16:00 暗くなってきた。関口さんは仕事を終わらせ、家に帰っていった。

明日、火入れをやるかもしれないとのこと。

明日も来てみよう。

そして夕景を撮りに、まだ行ったことのなかった林という集落へ。

浅野さんの家の前の道を登ってゆく。

山の上の方に集落があった。今は2軒住んでいる人がいる。

また違った雰囲気で、見える景色が違う。

見晴らしのいいところを見つけた。車から降りて撮影する。

いい眺めだった。

日も暮れたので、宿舎へ帰る。

てっちゃんがバイトから帰ってきていた。

バイトは明日が最終日になったそうだ。

浅野さんがきて、水のパイプのチェックを19日にやろうと伝えにきてくれた。

遅くなったので、3人でさぎり荘へ行く。

温泉に入り、晩ご飯はジンギスカンを食べた。

美味しかった。

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