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信級日記 vol.25

令和元年10月4日

朝起きて外に行く。向かいの山に雲がたなびいている。

いい景色だ。

信級のメインストリートが谷沿に走っている。

その道の両側に山。

私たちの宿舎は信級小学校がある山の向かいの山の中腹にあり、小学校とほぼ同じくらいの標高。

「ここに橋がかかっていたら小学校まですぐなのに・・・。」と小学校の頃思っていたという、宮平に住むヒロシさんがいうのも納得する。

一坪くんが朝一で撮影していた。

7:00 朝食。ご飯、味噌汁、缶詰(千葉産直サービス)、切り干し大根(お酢と醤油につけたもの)

鹿谷城跡へ。信級のロングを撮影に行く。

前にイチローさんに連れて行ってもらい、私が初めて信級で撮影した場所だ。

信級小学校の少し上に車を置き、そこから20分くらいの山歩き。

一坪くんは重い三脚も担いで軽々と登って行く。さすがだ。

柳屋さんの機材は結構重そうで大変そうだった。

雨がパラパラ降ったりもしたが、まだ太陽も出ていていい景色だった。

信級の本鹿谷のほぼ全景が見えるポイントで撮影。

3人でこの景色を見ることができて私は嬉しかった。

まだ稲刈りをしていな田んぼも少しあり、それが黄金色でとても美しかった。

宿舎へ戻り、昼食。

ご飯、味噌汁。

一坪くんが玉ねぎ、大根葉、白菜で一品おかずを作る。

10月6日は当信神社の秋祭り。

植野くんたち新しく信級に移住した人たちが師匠たちから受け継いでいる神楽を神様に奉納する。

獅子が植野くんと加藤さん。笛が浅野さんと心一郎くん。太鼓が西川さん。(心ちゃんの母)

今回はその撮影をメインに据えた。

植野くんが宿舎に来てくれた。

5日、神楽の合同練習と6日祭り当日のことを詳しく教えてもらう。

5日の合同練習には獅子、笛、太鼓、それぞれの師匠も来て直接指導してくれるという。

6日、祭り当日、当信神社のお祭りの前に、植野くんの住む岩下でも岩下の金比羅さんにお酒を捧げ、公民館に集落の人たちが集まり飲んで食べる会があるとのこと。

祭りの流れや神楽の位置など詳しく聞いて、撮影や録音をどのようにするか、みんなで考えた。

午後、玄米コーヒーをつくるために、炭にする木を炭焼き窯に入れる作業があるということで、私たちは撮影に行くことにした。

撮影が終わると、キャンピングカーの中で中谷さんと清美さんがコーヒーをご馳走してくれた。

メイン通りの日向畑を左折して山に上がっていくと宮平。

宿舎に帰る途中、日向畑で吉沢哲明さん(てっちゃん)に会う。

ご挨拶をし、スタッフを紹介する。

てっちゃんはいつものようにとりとめなく話を始めた。

ひとしきり話し、私たちは宿舎へ帰る。

一坪くんと撮った映像を見ながら色味の話をする。

もう少し黒をシメた方がいいかということになる。

私はついでに色温度のことを一坪くんに質問したりした。

[…]

信級日記 vol.24

令和元年10月3日

朝ごはんをいただき、家の裏のを見せていただく。

表からではわからなかったが、眺めがとてもいい。

バーベキュースペースはご主人と一緒につくったそうで、とても素敵な空間だった。

梅、梨、リンゴ、オリーブ、綿、いろいろなものを育てている。

玉井さん、お世話になりました。

そして信級へ。

植野くんの家に寄ってご挨拶。

そして今回、宿舎としてお借りする宮平の家へ。

家主の池田さんが早速家の中を一通り説明してくれた。

家の脇の畑にある大根、ネギ、白菜、野沢菜、そして、芋、玉ねぎ、

土間に置いてある新米、冷蔵庫の中の味噌を自由に食べていいですよと。

なんてありがたいこと。

全て池田さんがつくったものだ。

台所の脇の小部屋に炭ごたつがある。

土間に炭とバーナーを用意してくれていた。

これも寒かったら使ってくださいとのこと。

炭も池田さんが焼いたものだ。

水は山から引いている天然水。

お風呂も入れる。

まさに至れり尽くせりだった。

信級の中でも山の中腹に位置し、朝日が一番に当たる宮平に泊まってみたいと思っていた。それが叶ったことも嬉しい。

車の中の荷物を家の中にせっせと運び込む。

大きな土間を挟んで、右側が台所とトイレと風呂。

左側に4つ部屋がある。

私は奥の部屋を使うことにした。

お昼過ぎ、

「かたつむり食堂に着きました!」と一坪くんから電話あり。

久しぶりの再会。

一人での撮影がほとんどの私にとって、

今回は撮影部・録音部がいる贅沢な撮影なのだ。

一坪くん、柳屋さん。

技術的なことももちろんあるけど、私はこの二人の人間性に惹かれる。

一坪くんは「空想の森」、「風のたより」で一緒にやってきた昔からの仲間。

柳屋さんは「風のたより」の整音、ダビングミックスをやっていただいたのが初めての出会いだった。

映画、テレビの現場で経験豊富な録音技師の柳屋さん。でもドキュメンタリー映画の現場は初めてとのこと。私は一度現場を一緒にやってみたいと思っていた。

それが叶ったこともとても嬉しいことの一つだ。

嬉しくてテンション上がり過ぎてしなわないようにしなければ。

かたつむりで昼ご飯。

純子さん、石坂さん、関口さん、NPOの人たちと森のプロジェクトの打ち合わせをしていた。

みなさんにスタッフ紹介。

そして宮平の宿舎へ。

石坂さんの家の前で、大きなキャンピングカーとすれ違う。

中谷さんと清美さんだった。

中谷さんたちも今日信級に帰ってきたとのこと。

宿舎へ戻り、池田さんに二人を紹介。

コーヒーを飲んで一休み。

そしてこれから撮影をする場所へ行く。

[…]

信級日記 vol.23

令和元年10月2日

15:30 新潟港着。

今日は信級の手前の信州新町の玉井さんのお宅に泊まらせてもらうことに。

前回、「空想の森」を親子で見にきてくれた方だ。

19:30 玉井家着。

農家の大きなおうちだった。

家に入るなりホオズキのなんともいい香り。

玉井さんは食用ホオズキを栽培していて、収穫したものをザルにあげて干していた。

サスケとナルトという兄弟のネコが出迎えてくれた。

早速、長男のタイキさんと3人で晩ご飯をご馳走になった。

ご飯に味噌汁、キューリの和物、わかめの煮物などなど、美味しいものばかり。

地物のリンゴ・光陽がとても美味しかった。

玉井さんはホオズキの他、オリーブ、米、リンゴ、梨、綿など、いろんなものを栽培している。ホオズキジャムなど製品化を試みている。

翌日、母屋に隣接している蔵を見せていただいた。

立派な建物だった。

お庭も素敵で、庭を眺めながらしばしおしゃべりをした。

玉井さんの亡くなった義理のお父さんお母さんは、ここで農家として食べ物をつくり続けてきた。とても美味しい干し柿をつくっていたそうだ。

今、お嫁さんがこうして食べ物をつくっていること。

きっととても喜んでらっしゃるような気がした。

この地でこれからいろんなチャレンジをしていこうとしている玉井さんから大いに刺激を受け元気をいただきました。

[…]

信級日記 vol.22

令和元年10月1日

今回は撮影の一坪くん、録音の柳屋さんも東京から参加してくれることになった。

久しぶりの3人体制での撮影。

すごく嬉しい。でも緊張もしていた。

半月ほどの撮影にのぞむ今回、宮平の一軒家をお借りできることになった。

スタッフで合宿生活をしながらの撮影になる。

なるべく快適に過ごせるようにできるだけの準備をした。

ということで、撮影機材に加え、調味料、炊飯器、食糧などもパッキングして車に積み込んだ。

いよいよ自宅を出て車に乗り込むとき、外に出ていた飼い猫のにゃあたが、「にゃあー!」と家に帰ってきた。

私を見送りに帰ってきてくれたようで、とても嬉しく少し長めの別れのハグをした。

日が暮れるのが早くなった。

苫小牧港へ向かう道中、夕日がとても綺麗だった。

19:30出港。

持ってきたおにぎりと味噌汁で夕飯を済ませ、風呂に入って早めに就寝。

どんな撮影になるのか、

ではなくて、いい撮影をするのだ。

いい撮影とは。

各スタッフが能力を発揮できるよう、気持ちと環境を整えること。

被写体の人たちに向き合う。

考えているうちに眠りに落ちていった。