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信級日記 vol.30

令和元年10月9日

7:30 起床

8:00 朝食

8:45 心ちゃんの稲刈りの撮影に出発。いい天気で気持ちがいい。

心ちゃんの田んぼは岩下の植野くんの田んぼの隣。

すぐ隣の田んぼはお母さんの西川さんの田んぼだ。

やり方が違うので一人一枚ずつつくっているとのこと。

稲を刈る鎌を研いでいた。

「今日、消防団で捜索に出なくてはいけなくなるかもしれないので

稲刈りを中断するかもしれません。理由はまだ言えません。」

と心ちゃん。

心ちゃんは信級の消防団のメンバー。

植野くん、浅野さんもメンバーだ。

「わかりました。」と私。

なんだか胸がざわついた。

一坪くんにもそのことを伝え、撮影を開始した。

まずは田んぼの周りの草を草刈機で刈る。

稲を干すための骨組みを立てる。

そして稲を刈りを始めた。

バイクに乗ったお巡りさんがやってきた。

心ちゃんと話をして、また去っていった。

「消防団の出動がなくなりました」

と言って心ちゃんは稲刈りを続けた。

私たちも撮影を続けた。

西川さんが田んぼ仕事にやってきた。

稲刈りも終わっているが、今年の反省を踏まえ来年のための作業をしているとのこと。

そんな話をしているうちに、何があったのかを教えてくれた。

とてもショックなことだった。

シゲトさんが亡くなった。

つい先日のお祭りの日、シゲトさんはいろんな話を私にしてくれた。

岩下の草刈りの時、女衆に混じって男一人でバリバリ草を刈っていた。

私が植野くんの家に泊まっていた時も、家がすぐ横だったのでちょくちょく顔を合わせ

話をしたことなどが思い出された。

空を見上げた。

お昼 撮影を終え、宿舎へ戻る。

心は晴れない。

13:30 撮影に出発。

日向畑の吉沢さん(てっちゃん)のお宅へ。

ノックをするとてっちゃんが出てきた。

家の前でひとしきりおしゃべりしてるところを撮影させてもらう。

途中、日向畑の長老の村田さんが畑仕事を終え、野菜のせたザルを抱えてゆっくり歩いてきた。

私たちが撮影しているのも意に介さず、普通にてっちゃんと立ち話。

とてもいい感じだった。

そして小さな橋を渡って家へ帰っていく。

それから向かいの浅野さん宅へ。

由美子さんがいて、ひとしきり話す。

浅野家はまだ結構稲刈りが残っている。

信級でまだ稲刈りしてない田んぼは、ほとんど浅野さんの田んぼらしい。

ということで、明日撮影させてもらうことにした。

帰りがけに畑からナス、ピーマン、枝豆をとってくれた。

ありがたくいただく。

そして岩下へ。

心ちゃん、西川さんも今日の仕事が終わるところだった。

岩下の重鎮・兼備さんが杖をつきながら歩いてきた。

私は、お祭りの時のお礼を言って、

「今度兼備さんの話を聞かせてください」と言った。

「一服しよう」

と言って、兼備さんは田んぼの脇にゆっくりと腰を下ろした。

私と西川さんが両脇に座ると兼備さんは話を始めた。

馬耕のこと、そしてシゲトさんのこと・・・

一坪くんは正面に三脚を据えて撮影。

兼備さんと話をするのは初めてだった。

西川さんが後で私に言った。

「兼備さんがこんな風に話をするのはめずらしいことだよ。ヨーコさんありがとう。」

私はすごく嬉しかった。

撮影を終え宿舎にもどる。

夕食の下準備をする。

そしてさぎり荘へ。温泉につかる。

支配人の塚田さん、所長の小山さんが受付にいて少し話をした。

小山さんは今日、信級の石坂さんに案内してもらってきのこ採りに山へ入ったそうだ。

時々山のことを石坂さんに教えてもらっているそうだ。

ゆっくり湯に浸かり、宿舎へ戻る。

夕飯。

ご飯、具沢山味噌汁、切り干し大根はりはり風、缶詰、枝豆どうふ。

晴れているので、星の撮影にいくことにした。

岩下の田んぼから星空を撮る。

ここは空の広さ、山の稜線がいい感じなのだ。

デジカメとキャメラ両方で撮った。

星を見ながらまたシゲトさんのことを思わずにはいられなかった。

宿舎に戻り撮ってきたものをチェック。

小澤酒造の酒を二人で少し飲む。

香りがよくおいしい。

今日は悲しいこと、嬉しいこと、混在する一日だった。

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