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信級日記 vol.35

令和元年10月14日 撮影最終日

7:00 起床。朝食はご飯と味噌汁。

8:45 待ち合わせ場所のかたつむり食堂へ向けて出発。

浅野さんが自宅前の田んぼを手刈りで稲刈りをしていた。

早速撮影を始める。

雲、光が刻々と変わってゆく。

今日は天気が崩れる予報。

石坂さんがシェーンを連れて散歩。

戻ってきて風呂づくり。

植野くんがイサとカナを連れてやってきた。

立派な背負い籠を持ってきている。

今日は久しぶりにかたつむり食堂がオープンする。

もうすぐ純子さんがやってくる。

それまで石坂さんは風呂づくり。

純子さんがやってきた。

石坂さんの軽トラに乗ってキノコ採りに出発。

小学校の上に車を置き、

鹿谷城跡への山道を登っていく。

石坂さんは実に嬉しそうだ。

信級を見渡せる尾根に着く。

気持ちがいい。

濡れた緑、色づいた落ち葉、ほんときれい。

11月 27th, 2019 | Category: のぶしな | Leave a comment

信級日記 vol.34

令和元年10月13日

明け方、トイレに起きる。

台所の窓から見える東の空がなんとも言えない色。

台風が去り、天気が良くなりそうだ。

そしてまた寝た。

起きたら、西川さんはもう帰っていた。

一坪くんは外で風景の撮影をしていた。

朝食は西川さんが持ってきてくれた母ちゃんパン。

紅玉が入っていてとても美味しい。

今日は神社のアンナのイベントが中止になった。

このイベントで植野くんが踊りをすることになっていて

それを撮影する予定だった。

植野くんの踊りは、機会をつくって撮らせてもらおう。

昼頃、撮影に出発。

今日はどんな出会いがあるのでしょう。

日向畑に降りると、由美子さんとメリーさんに会う。

メリーさんは加藤さんの奥さん。

昨晩の台風の話をひとしきりする。

念のため小学校に子供を連れて避難したが、大丈夫そうなので23:00には家に戻ったそうだ。

大事に至らなくて本当によかった。

浅野家と加藤家が並んであり、

小さな川を挟んだ向かいに吉沢てっちゃんの家がある。

てっちゃんの家に行ってみた。

台風の話から、いつものようにてっちゃんの話が始まった。

すると

「昔ここは旅館とたばこ屋をやってたんだよ。」

とてっちゃんが言った。

そして旅館だった時の玄関に案内してくれた。

水も日向畑の共同で使っている水源の他、独自で裏から引いている水源もある。

表から見ただけではわからなかったが、

結構奥行きのある大きな家だった。

商店をやっていた時のハッピも持ってきて見せてくれた。

「部屋が4つも5つもあって、掃除できなくて大変なのよー」

「どっこも行くとこないし、お金もないし・・・、

ハァー、オレの人生どうなっちゃうんだろうなー」

と独り言のように言った。

私はおかしくて吹き出しそうになった。

浅野さんが消防団の仕事から帰ってきたのが見えた。

そしてまた浅野家へ。

「お疲れ様ー」

昨日の台風の顛末を聞く。

信級の消防団は班長が浅野さん、そして植野くん、心ちゃん、そして他の地域の人、全部で4人しかいないそうだ。

「4人で信級全体を見ていくのはなんとも心もとない」と浅野さん。

11月 26th, 2019 | Category: のぶしな | Leave a comment

信級日記 vol.33

令和元年10月12日

雨が降っている。

大きな台風が近づいてくるということで、今日は撮影お休みにすることにした。

連日濃い撮影が続いていたのでちょうどいい休息日。

ゆっくりと過ごすことにした。

午前中、西川さんから電話があり。

「心を入れ替えました。」と西川さん。

シゲトさんのことがかなりショックだったと。

そのこともあっていろいろ考え気づいたことがあったそうだ。

そしてこれからはもっと積極的に映画に関わっていこうと思ったという心境の変化を話してくれた。

私も、今を大切に、いい映画をつくっていこうと改めて思う。

池田さんは雨の中も畑作業をしている。

お昼前、ご飯支度。

一坪くんと遅い朝食兼昼食を食べる。

池田さんは雨の中塩尻へ帰って行く。

雨脚が強くなってきた。

テレビをつける。

とても大きな台風が関東に上陸するらしい。

長野は今夜通過するとのこと。

14:00 西川さんが遊びにやってくる。

紅玉入り母ちゃんパンを焼いてきてくれた。

池田さんが持ってきてくれたさつまいもを蒸す。

ついでに畑から採ってきた白菜も。

炭コタツで食べながら飲みながら3人で過ごす。

池田さんに電話。

無事に自宅に着いたとのこと。

よかった。

ニュースによると、信濃川では堤防が決壊してひどいことになっている。

21:30 急に雨風が強くなる。

消防団が見回りをして、浅野さんの家の脇に土嚢を積んだそうだ。

あとは岩下で少し水が溢れているところがあるそうだが、大丈夫とのこと。

と心ちゃんから西川さんに連絡が入った。

日向畑の浅野家に電話した。

あそこは雨が多いと水が溢れて川の水が逆流してくる。

子供がいる浅野家とお隣の加藤家は念のため小学校に避難したとのこと。

植野くんにも電話。

岩下は大丈夫とのこと。

明日の神社でのイベントは中止にしたとのこと。

宮平は雨風が少し強いくらいでなんでもなかった。

一坪くんも私も家族や友人に連絡し無事を知らせる。

それにしても炭コタツのあたたかさは気持ちがいい。

一坪くん、炭をつけるのが上手くなってる。

夜も遅くなったので、西川さんは念のため、ここに泊まることにした。

コタツに入ってすっと食べて飲んでいた一日だった。

いい休息になった。

信級日記 vol.32

令和元年10月11日

8:00 起床。昨晩少し雨が降ったようだ。

西川さんから電話あり。12日、中村和正さんがインタビュー撮影OKと、今日午後2時からの信級小学校裏のエゴマの収穫の撮影もOKとのことを伝えてくれた。

和正さんは信級の歴史に詳しい人で外鹿谷の柳久保に住んでいる。

台風が来るので、その前にエゴマを収穫するとのことだ。

朝ごはんをいただく。

ホオズキのジャムがとても美味しかった。

またまた玉井さん、お世話になりました。

10:00 出発。信級へ向けて車を走らせる。

「やっぱり信級は空気が違うなあ。」

さぎり荘からの山道を登って信級に入ると、私はいつもそう感じる。

メイン通りをゆっくりと走る。

今日も浅野さんが稲刈りをしていた。

台風が来る前になんとか終わらせようと必死の様子。

かたつむり横では、今日も石坂さんが風呂づくり。

少し撮影をさせてもらった。

作業をしながら、山の話をしてくれた。

山のことを話す石坂さんはとてもいい顔をしていた。

そこへ近所の関口さんが石坂さんの作業の様子を見にやって来た。

なんだか愛おしい光景。

お昼の音楽がなり、みんな家へ帰っていく。

[…]

信級日記 vol.31

令和元年10月10日

7:30 起床

8:00 朝食

昨日の残りごはん、味噌汁、かんずり、切り干し大根

9:00 出発

まず、宿舎の上のヒロシさんの家の辺りから、ロングの撮影。

ヒロシさん、何やら道端でやっている。

カメムシをドラム缶で焼いていた。

ヒロシさんは空師。

高い木に登って伐採する仕事。

昔は高い建物がなかったので、空に一番近いところで仕事をする職業ということで空師という。

日本で昔から技術が引き継がれてきた伝統的な職業。

神社やお寺などの大きな木を相手にすることも多く、ヒロシさんは日々全国を飛び回っている。

「シゲトさんのこと聞いたか?」

とヒロシさん。

「はい」

やはりみんなの中にシゲトさんのことが

オリのように存在している。

「写真見るか?」と

仕事をしている時の写真を持ってきてくれて見せてくれた。

3、4人のチームで、チェーンソウ、重機などを使っての木の伐採。

ヒロシさんは木の上まで登ってチェーンソウを操り木を切る。

山、木のことを熟知していなければできない仕事だ。

かっこいい!

空師のヒロシさんの仕事、見てみたい。

向かいの山の同じ目の高さに小学校が見える。

「小学校の時、ここに橋がかかってたらどんなにいいのにといつも思ってたよ」

とヒロシさんは笑った。

ちなみに日向畑のてっちゃんと同級生。一緒に学校に通っていた。

「今年の紅葉は焼けちゃっててダメだー」とヒロシさん。

確かに赤が茶色っぽく、くすんだ感じだ。

そして道を下っていき、途中の開けたところから、集落の撮影をしていると、

シェーンが元気の塊のように坂を走って降りてきた。その後ろから、軽トラに乗った石坂さんが私の横に止った。

石坂さんは目下、純子さんに頼まれて、かたつむり食堂の横に風呂をつくっている最中。

ほぼ毎日シェーンと一緒に風呂づくりをしている。

「早く仕事進めないと」と言って石坂さんの軽トラが走り出す。

シェーンも後を追っかけるように駆け出した。

二人はいい相棒だ。

11月 23rd, 2019 | Category: のぶしな | Leave a comment