アーカイブ

アナとの旅 その4

「風のたより」の主人公の家族の洞爺湖のラムヤートへ。

ゆうらはすっかり少年になっていました。

とわちゃんは、撮影していた頃のゆうらの年になっていました。

前の晩にラムヤートで知久寿焼さんのライブがあり、その余韻が残っていました。

相変わらず、ラムヤートは子どもたちで賑わっていました。

知久さんとマネージャーさんもまだ泊まっており、大勢で夕食を食べました。

アナの映画についてみんなで話をしました。

その中で、自分は辛すぎてアナの映画は見られないという女性がいました。

アナの映画の主人公の女の子・オラと全く同じではないけど、

かぶる部分があるので、昔の辛い思いを思い出すんじゃないかと思うと

見たいけど、見られないと言いました。

私もまだ見ていないので、なんとも言えないのだけど、

この映画をつくったアナとは今まで一緒に旅をしてきて、

きっと希望のある映画なんじゃないかと確信してるけど、

アナ、どう?

と私が質問すると、

その通り。だから是非見てもらいたい。

アナは言いました。

今まで、ずっと不慣れな英語の通訳をして、私の脳みそが沸騰しそうになっていました。

まっさんがこの辺りで英語を話せるシホちゃんを呼んでくれました。

忙しい中、時間をつくってシホちゃんが来てくれました。

大事な話題だったので、それを通訳してもらえて本当によかったです。

最後は飲んべだけになり・・・

私ももちろん最後まで参加しました。

[…]

アナとの旅 その3

朝5時半。

爽やかな笑顔のユーサクとは反対に、私はまだ酒が残っていて頭がぐるぐるしていました。

ユーサクは嬉々として家族のためにパンを焼く準備をしていました。

美味しいパンになるように、日々、試行錯誤しながらつくっているというユーサク。

しかも、とても楽しそうに。

ユーサクを見ていて、なんか感動しました。

そして、朝食をみんなでいただきました。

やっぱり下二人はアナの脇から離れません。

ユーサクのパンは、とても美味しかったです。

中学生になったユーサクは、学校まで6キロの道のりを、走って通っています。

体を鍛えたいからだそうです。

リュックは10キロを超える重さ。

すごいです。

[…]

アナとの旅 その2

私の2作目「風のたより」で撮影させてもらった山田農場を訪ねました。

山田兄弟はすぐにアナに話しかけ、あっという間に仲良しになっていました。

アナはアナで次男のコーちゃんに自分と近いものを感じたようで、すぐに心を通わせていました。

次男のこーちゃんは、すっかり働き手になっていました。

長男のユーサクは、もう大事な働き手で、家族を支えていました。

三男のハルは、一丁前につなぎを着ていました。

チーズ屋とは思えない売店。

「この中から、今晩飲むお酒、好きなワインと日本酒を選んでいいよ。」

とケイスケとあゆみちゃん。

「ワーオ!うれしー!」

でもあゆみちゃんとケイスケにお任せしました。

夕食までの時間、三兄弟とアナと私は、トランプをしたり、かくれんぼをしたり、

思いっきり遊びました。

アナは私と同じで、子ども相手でも手加減できない人でした。

アナも子どもみたいに遊んでいて、私はなんだか嬉しかったのでした。

夕食。

コーちゃんとハルがアナの隣にぴったりと座り、とにかく楽しい夕食でした。

私は嬉しくてしこたま酒を飲みました。

「あゆみ、どうしたらこんな天使のような子どもに育つの?」

とアナは真剣にあゆみちゃんに聞いていました。

「こんな子どもたちは、ポーランドにも世界中にも私が知っている限りいない」

とアナは言いました。

長男のユーサクは、毎朝5時半に起きて、朝食に食べるパンを焼いているそうです。

前の晩にそのパンを仕込んでいます。

アナはいたく感動し、翌朝、その様子を見に行くことになりました。

[…]

アナとの旅 その1

2018年6月。

アナと9日間一緒に旅をした。

濃密で、いろんな気持ちを共有した旅だった。

食べ物の好みが似ていたのが一番嬉しかった。

食べさせがいがある人だった。

新得の宮下家。

私の1作目「空想の森」の主人公のご夫婦。

「ヨーコ、ここに連れて来てくれてありがとう!!」

家に入るなり、アナはいたく感激して私に言った。

「でしょ!アナ」

晩御飯をご馳走になった。

文代さんの手料理は、ほんといつも美味しい。

とにかくよく食べ、飲み、話し、笑った。

アナは五右衛門風呂にも入らせてもらった。

帰りの車の中で、宮下さんと文代さんの写真を見ながら、

「これがシアワセってものだよね」

とアナがしみじみと言った。