風の強い日だった。
風の映画舎分室に戻る途中
いつも通る道が
吹き溜まりの雪で埋まっていた。
それで、少し遠回りになるが
もう一つの道を行った。
少し行くと、そこも吹き溜まっていて
それ以上進めなくなった。
車を止めて、戻るべきか思案していた。
すると、除雪車が向こうから除雪しながらやってきた。
私の横に来たところで停車し、運転席の窓が下りた。
「もうすぐそっち側も開けるから少し待ってて。
道道に出るまで、後を付いて来ればいいから。
今、この先で車が一台はまって、やっと抜けたところだ。」
と言って、また除雪作業を開始。
親切に教えていただいたので
待つことにした。
向こうから今しがた開いた道にパトカーの姿。
また私の横で停車し、窓が下りた。
顔に水滴をたくさんくっつけたお巡りさんの顔。
「今、少し先で埋まった車を2時間かけて掘り出したところだ。
国道まで戻ってバス路線を行った方がいい。」
と。
おわまりさんご苦労様。
でも除雪車を待つことにした。
間も無く除雪車がやってきたので後ろをついて走った。
途中、スコップを持ったおじさんがいたので車を止めた。
救出された車の人だった。
どれだけ大変だったか、まだ興奮さめやらないようで
ひとしきり話が続いた。
そして無事に道道まで出られた。
[…]