2013年3月30日。
8:00 起床。
窓を開けると、外は雪化粧。
天気もいい。
まだ寝ていた一坪君を起こして、昨日見つけた撮影ポイントへ行って撮影。
帰ってきて朝食をいただく。
マスキくんが二階の新しくつくったパソコン部屋で仕事をしていた。
私が寝ている部屋の小さなすりガラスを開けて中をのぞいてみた。
自分の好きなものを置いているのだろう、いたるところに小ささモノが置かれていた。
壁には色んな絵が描かれていて楽しい。
前に私が撮影した時につくっていた小屋の壁に、イベントの参加者に絵をかいてもらったものだそうだ。
キャメラが空いていたので、急いで少しだけ撮影した。
「友達になりたいと思う同世代の男に久しぶりに会いました。」
と一坪君が私に言った。
ゴンちゃんの仕事を撮影しながら話をしているうちに、一坪君はすっかりゴンちゃんが大好きになったようだ。
そのせいか、私の予想より一坪君はだいぶテープをまわしていた。
今晩はゆみこ祭りもあるので、残りのテープの配分などを二人で相談。
一坪君が31日に帰った後は、オープン前日とオープンの日を私が撮影するので、テープの残量が気にかかっていた。
「尺が決められた中で撮影するのは、良く考えて撮影できていいことだから。ゆみこ祭りは10分しか回さないから大丈夫です!」
と妙に自信たっぷりに一坪君が言うので、テープを買いに行くのをやめた。
白黒のノラネコはチョコちゃんを探してか、今日も家の周りを歩いている。
近所のエッケさんが、ラムヤートの周りの氷割りや雪かきをしている。
「いつもコーヒーとパンでやってくれるんだ。」
とマスキくんが言った。
マスキくんには洞爺の愛すべき人々が何人もいる。
エッケさんはその一人。
エッケさんを見ていると、マスキくんのその思いが私にも伝わってくる。
ゆうらは、エッケさんの子どものタンタンと雪山でそり遊び。
もうこれだけで、なんて素敵な日なんだろう♪と思ってしまう私。
この何でもない日常のキラキラ感を私は映画で伝えることができるだろうか?
この日のランチはエッケさん、タンタンもいっしょににぎやかにいただく。
夕方、みんなで私の車に乗り、ゆみこ祭りの会場へ向かう。
ミワさんは準備があるので早めに家を出ていた。
いこいの湯の近くのログハウス。
洞爺湖の眺めがいい。
中に入ると、大勢の子どもが走り回って遊んでいた。
ミワサンは準備で動き回っている。
マスキくんは会場の飾りつけをはじめた。
私は前にもお会いしている人がいたりして、お話しをしながらみんなの準備を眺めていた。
今日の主賓のゆみこさんは、伊達の路地裏祭りでカレーとカキ氷の店をやっていた女性だったことがこの時わかった。
一人一品持ってきた料理や飲み物がテープに並ぶ。
マスキくんの司会で会が始まった。
私と一坪君を紹介してくれて、撮影を了解してもらった。
第一部はこども部。
小学生の子が二人で漫才をしてくれた。
これがけっこう面白かった。
都はるみが歌っている洞爺音頭をみんなで踊って一部終了。
ゴンちゃん
二部はお祝いの部。
友人たちが音楽でゆみこちゃんと渡辺さんを祝う。
ゴンちゃんが即興でゆみこさんに贈る歌を歌った。
アンコールが起きて2曲目も歌う。
マスキくんとゆうら
「ゴンちゃんの歌すごくいいですねー。田代さん、映画の音楽、ゴンちゃんにつくってもらったらいいと思います!」
と一坪君が興奮気味で私に言った。
ヒロシマさん
洞爺へ移住して一番長い大工のヒロちゃんがしゃみせんで歌をうたう。
あゆみちゃんとジュンちゃん
みんながやんやと声援を送る。
ヒロシマさんの人柄がにじみ出ていた。
新郎の渡辺さんと新婦のゆみこちゃん
新郎新婦が着替えて登場。
ゆみこちゃんは美しかった。
友人の宇宙くんの新郎新婦へのインタビューがこれまた面白かった。
マスキくんと宇宙クン
宇宙クンはマスキくんを「シショウ」と呼ぶ。
宇宙クンはマスキくんが耳元でささやいたことをそのまま言う。
独特の間の抜けた感じがおかしくあったかい。
この二人のコンビを心配して、妻のミワさん、シホちゃんが助け舟をだしたりしていた。
そのうち、司会はシホちゃんがやっていた。
ゆみこちゃんが花嫁衣装にギターを抱えて歌を歌う。
かっこいい。
友人たちの心のこもったお祝いの会。
ゆみこちゃん、新郎の渡辺さんはどれだけ嬉しいだろうか。
車の運転があるので私はお酒を一滴も飲まず水を飲んでいた。
色んな人と話をして、お料理も堪能して、とっても楽しかった。
話す人は酔っている人がほとんど。
しらふで楽しむのもいいものだと初めて思った。
ミワさん
しかし、ミワサンは縁の下の力持ち。
進行しながら、料理を出したり片付けたり、参加者に気を配り、とても楽しそうに働いている。
女の子たちはマイクを持ち歌ったりしてはしゃいでいる。
女三人集まればとよく言ったものだ。
ゆうらはマイクは持たないが、他の子供たちと楽しそうに遊んでいる。
「田代さん、この会は洞爺が凝縮されています。もう尺関係なく撮っちゃてます。」
と一坪君。
「やっぱりそうでしょ。好きなように撮ったらいいよ。」
と私。
そんな風に一坪君が感じていることが私は嬉しかった。
マスキくんはこの土地で生きることを決め、人間関係をつくり、豊かな暮らしをつくってきたんだなあ。
と改めて感じた。
マスキくんの愛すべき人々が私も愛おしかった。
第3部 大人の部。
これを楽しみにしている女性が大勢いた。
以前、ケイコちゃんという友人が洞爺を離れる時のお別れ会のこと。
男性陣が連フンをして、ケイコちゃんを胴上げした。
前後の人にひっぱられて、ポロリも続出だったそうだ。
連フンとは、長いフンドシを男性たちが連なってつけること。
マスキくんは連フンをやりたくなくて気が重いと毎日言っていた。
ミワさんも私は見たくなかったから、前の時は見なかったと言っていた。
しかし、今回は主賓のゆみこちゃんのリクエストなので、やらざるを得なかった。
「そろそろ時間です。よかったら控室へ。」
とマスキくんが、それぞれの場所で話に興じている男性に声をかけていく。
基本、ここに男性全員。
撮影の一坪君も例外ではない。
彼はなぜか張り切って参加。
私が撮影することになった。
男性陣がフンドシ装着中、帰る人の車が出られない事態が発生。
車の持ち主を探すため、ミワサンが暖簾を顔に覆い、控室を開けて車のナンバーを叫ぶ。
なんともおかしかった。
テンション高く、音楽に乗って連フン男性陣が出てきた。
腰にビニール紐、そこに一枚の布を前と後ろに通しているだけだった。
先頭はあゆみちゃんの夫のジュンちゃん、そしてゴンちゃん、一坪君とつながっていて、お尻の方に悟さん、マスキくん、宇宙くん、最後がヒロシマさん。
今回は11人の男性が一つのフンドシに連なっていた。
テーブルの周りをグルグル回ったり、走ったり。
私はおかしくておかしくてキャメラを揺らさないようにするのが精いっぱいだった。
紐がずり下がってしまう人、前後に引っ張られてあわてて押さえている人などなど。
最後はまるくなってゆみこちゃんを胴上げ。
そして控室に走って戻っていった。
女性陣は大盛り上がりでアンコールを叫んでいた。
一大イベントが終わり、戻ってきた男性陣は妙な連帯感が生まれていた。
フンドシイレブン。
「招集がかかったらいつでも馳せ参じます。」
とゆみこちゃんの夫・渡辺さんが言ったのにはびっくり。
いい会だったなあ。
会場を片付けて家に帰ったらもう12時を回っていた。
「一坪君が最後の晩だから、ワイン1本買ってきたから飲みましょう。」
とマスキくんが言った。
ゴンちゃん、マスキくん、私、一坪君はワインで、ミワさんはお茶で乾杯した。
月浦ワイン、おいしかった。
そしてみんな、ゆみこ祭りの余韻にひたりながら眠りについた。
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