2013年3月29日。
7:50 起床。
ゴンちゃんは工場でパンづくり。
早朝からゴンちゃんの仕事の撮影予定だった一坪君はまだ寝ていた。
しばらくして一坪君が起きてきた。
早速ゴンちゃんの撮影を始めた。
そして一坪君は居間でのミワさんの撮影。
ゆうらの友達のタンタンが遊びにきていた。
二人は家にあるものを使って、即興オリジナルの遊びを楽しんでいた。
「こういう遊びっていいですよね。」
としみじみとミワサンが言った。
「熟女好きのノラがまた来ている。」
とマスキくん。
白黒のオスのノラネコが家の周りをニャーニャー鳴きながら歩いている。
今野家のチョコちゃんがお目当てらしい。
チョコちゃんはかなりおばあさんだけど。
チョコちゃんは今野家の5匹のネコの中で唯一外に出られるネコ。
人好きでネコ嫌いのチョコちゃんは、他のネコと微妙な関係。
外に出ても遠くに行かず、家に周りから離れない。
私が家を一周すると、ぴったりと足元についてくる。
いっしょにお散歩ができるシアワセ。
私は工場に入り、ゴンちゃんの仕事を見学。
この工場、居心地がいい。
ゴンちゃんは黙々と丁寧に仕事をしている。
時々考え、ノートにメモをとりながら。
この工場とゴンちゃんはホントによく似合っている。
天然酵母の元種は、青森の木村さんの林檎を使ったそうだ。
攪拌機と発酵機を使わず、手でこねて、ゆっくりと自然発酵させている。
工場の約半分ほどを占めているのは、マスキくんとゴンちゃんでつくった窯。
まだ完成していないが、パンを焼く機能には支障がない。
これからパンを売ってお金をつくり、完成させていくのだ。
ソファーの隣に棚があり、パン種を入れたバットを置いて発酵させている。
上段の方は温度が高く、下に下がるほど温度は低くなることを利用して。
アナログの世界。
棚やモノの置き場所は、まだ確定していない。
しばらくこのまま仕事して、一番いい場所を決めて、マスキくんに棚などをつくってもらうとのこと。
新しい窯はかっこいい。
マスキくんが煉瓦ひとつひとつにもこだわって組んでいったとゴンちゃん。
窯をよくよく見ていると、煉瓦の組み方とか、どうしてそうしてるの?
という疑問がわいてくる。
それを質問すると、
「なんででしょうか?」
とゴンちゃん。
しばし窯クイズを楽しんだ。
発酵の時間、温度、薪の燃やし方などで、パンの出来上がりが違ってくる。
すごい世界だ。
焼き上がったパンを台にのせ、ゴンちゃんはスケッチ。
ゴンちゃんは日々その日の感覚を体に焼き付けているのだなあ。
そして、これからここでパンの世界を探求していきながら暮らしていくのだなあ。
「これからのこと、自分の中でいいイメージしか湧かないんですよ。」
とゴンちゃん。
なんて頼もしいことを言うのだろう。
マスキくん・ミワさんも嬉しいだろうな。
マスキくんは店の方でで仕事。
マスキくんたちが暮らすこの町のロングを撮りたいと前から思っていたので、どこかいい場所がないか聞いてみた。
「この近くの洞爺寺からの眺めがいいですよ。イケメン住職もいますし。」
とマスキくんが言った。
夕方、一坪くんとロケハンに出かけた。
洞爺寺からの湖の眺めは確かによかったが、町があまり見えなかった。
社務所に行って住職さんにもどこかいいところがないかを尋ねてみた。
ホントに若くてハンサムな住職さんだった。
2か所ほどポイントを教えてくれた。
早速そのポイントに行ってみた。
ちょっと町が遠い感じがして、今一つピンとこなかったが少し撮影をした。
帰り道、洞爺湖へ下る坂道の途中。
「ちょっとここ曲がってみましょう。」
と一坪君が言った。
すると、洞爺湖とラムヤートのある集落が見渡せた。
距離感もしっくりきた。
「ここだね。」
とすぐに決まった。
そして温泉に行って温まった。
ラムヤートに帰ると、みあきちゃん、ピリカ・イオノちゃんが来ていた。
みあきちゃんは震災後、神奈川県から子ども二人を連れて現在豊浦に住んでいる。
昨日バスケをした体育館の裏の一軒家が決まり、もうすぐダンナもこっちへやってきてやっと家族いっしょに暮らせることになった。
今晩は、ラムヤートの並びに移住してくることが決まった飯田さん(だっちょ)・ユカさん夫妻とラムヤートスタッフのあゆみちゃん・ジュンちゃん夫妻もやってきてみんなで夕食だ。
この町にどんどん人が移住してくる。
しかも料理が上手だったり、個性的な人が多い。
ほんと、そのうちラムヤートのあるこの商店街がにぎわっていることもまんざら夢でもない。
マスキくんの思うつぼだ。
それぞれ何品か料理をつくってもってきたものが食卓の上に並んだ。
豪華な食卓。
どれもおいしかった。
特に、ししゃものオイルサーディンはゴンちゃんのパンにもぴったりだった。
ユカさんに作り方を聞いたらとても簡単でんびっくりした。
私も今度つくってみようと思った。
そこにいる人みんなが、ピカピカキラキラしていた。
受け入れ、認め合い、調和し、気持ちがよかった。
撮影もぜず、写真も撮らず、私と一坪君は、ただただ楽しんだ。
みんなは9時頃帰っていった。
それから、マスキくんとミワさんと一坪くんと4人で、なぜだか夜中の2時過ぎまで話し込んだ。
今日もいい一日だった。
感謝。
窓を見ると、静かに春の雪が降っていた。
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