2012年7月25日(水)
3:40
起床。
まだ辺りは暗い。
天気予報ははずれ。
雨は降っていない。
今日は天然昆布の漁だと純一さんから電話がきた。
すぐ撮影できるよう支度をして吉村さんの海辺の作業場に向かう。
吉村さん、奥さん、二人の娘さん、そして純一さんがすでに漁の準備をしていた。
挨拶をして早速キャメラを回し始めた。
私もトラックの荷台に乗る込み、川汲みの港へ。
港はたくさんの漁師が船を出す準備をしていて活気があった。
道具をのせ、娘さん二人、純一さん、吉村さんの4人体制で出航。
その後、私は堤防から吉村さんの船を探すが、見つけられなかったので、近くで漁をしていた船を撮影した。
たくさんの船がすぐ近くで漁をしていた。
船を操作する人に指示を出したりして、獲る人がガラスメガネで海底の昆布を探す。
ここだと決めたところで、先が二股に分かれた長い竿を差し込む。
私が見ていた人は、けっこう深くまで竿を入れていた。
そして昆布を巻き取るようにクルクル回す。
そして船の上に引き揚げる。
3人目の人が、こんぶの根を素早く切り、根をそろえて船に並べていく。
私は堤防から興味深く漁を見ながら撮影をした。
天気はくもり。
暑すぎず寒くなく撮影にはちょうどよかった。
8時に終了の放送が流れると、漁をやめて船は一斉に港に向かって行った。
その様子を撮影してから私は堤防の先端に移動し、吉村さんの船を待ち構えた。
最後の一艘が港に入ってからもしばらく待ったが、もう船は来なかった。
港では大量の昆布をクレーンでつり上げてトラックの荷台に乗せている船もあった。
どうやら私の移動中に吉村さんの船は入港したようだ。
吉村さんの作業場に行ってみると、やはり総出で小屋に昆布をつるしていた。
吉村さん、奥さん、娘さん二人、手伝いの男性、そして純一さんの総勢6人。
「いやー、今までで一番の大漁だー。船が沈みそうだったよ。」
と吉村さんは興奮気味だった。
私が見てもすごい量の昆布だった。
ほんと、よく船にのっかったなと思う。
トラックの荷台から昆布をおろす。
つるすためのピンを根元につける。
それを吉村さんと純一さんが小屋につるしていく。
ある程度ここで乾かしたら、今度は隣の乾燥室に入れてさらに昆布を乾かす。
そしてまた別の倉庫に移動させる。
そして明日もまた獲れた昆布をここにつるしていくのだ。
奥さんも娘さんたちも素早く手を動かしながら、
「こんな大漁は初めてです。」
と嬉しそうだった。
「ほれー、色もすごくいいべ!」
と吉村さんはウホウホだ。
「今日の漁場は昆布の森みたいなところで、初めてそんなところを見ました。しかも浅くて、吉村さんが次々と昆布を上げるので、根を切る作業が追い付かなかったです。」
と純一さん。
昨日は8時半頃には干す作業が終わっていたが、今日は10時過ぎにようやく全ての昆布をつるし終わった。
今日は純一さんといっしょに、お昼を函館のコルツで野村さんといっしょに食べ、その後、こなひき小屋、あかり農場、山田農場にいっしょに行く予定を立てていた。
純一さんは色々やることがある中、一日時間をとってくれた。
港から急いで宿に戻り、さっと風呂に入り、着替えて11時15分にロビーで待ち合わせ。
私の車で一緒に函館に向かう。
朝ごはんも食べられなかったのでお腹がすごくすいていた。
純一さんは昆布漁で体を使っているからさぞかしお腹がすいていることだろう。
12時過ぎ、コルツに到着。
野村さんはすでに席についていた。
お互いを紹介して三人で楽しく料理をいただいた。
野村さんと別れてこなひき小屋に向かった。
純一さんにおかみさんを紹介した。
ちょうど聡美さんもバイトできていた。
純一さんは「空想の森」を見てくれていて、映画をとても気に入ってくれていた。
「映画の中で見ているので初めて会う感じがしないです。」
と純一さんは言った。
それから自宅に向かい、純一さんに親方を紹介。
どの窓からも緑が見える居間でひとしきり話す。
親方は今、冬にむけて薪をつくっている最中。
その薪を見て、
「薪割りしているところ、見せてください。」
と純一さんは言った。
色々準備があるので今は見せられないが、と言って親方は薪を割る斧を持たせてくれた。
「今度はウチに泊まりに来たらいい。」
と親方は言った。
親方と別れて、あかり農場に向かう。
けんちゃんに純一さんを紹介。
そしてブタを見たり、売店をみせてもらったりした。
それから山田農場へ。
圭介さんが純一さんに地下の熟成庫を案内してくれた。
あゆみちゃんが搾乳を始めるので、私がハルサクをおんぶしてユウサクとコウサクと遊んだ。
今晩は宿で純一さんといっしょに夕食を食べることにしていた。
あっという間に時間が過ぎ、もう宿に戻らなければいけない時間になった。
純一さんが函館に来たら会ってもらいたいなあと思う人にあらかた会わせられたので私はとても嬉しかった。
移動中の車の中で色んな話をしたのも本当に楽しかった。
面白くて話が尽きないのだ。
宿に到着し、そのまま食堂へ直行。
二人で晩御飯を食べた。
純一さんと初めて会ったのが去年の12月。
あれから半年ほどたった今、思うことをインタビューさせてもらった。
連日の漁で朝早く、疲れて眠いだろうし、明日も漁があるので、無理しなくていいですと私が言ったが、快くインタビューを受けてくれた。
こんぶ屋こそ、原発を反対しなくてはいけない。
特に自分に直接関わる大間原発を。
こんぶの食文化を守り続けていきたい。
そのために自分のできることを精一杯やっていく。
そんな想いがヒシヒシと伝わってきた。
22:00過ぎ、インタビューが終わった。
私は機材整理をして、明日の撮影の準備。
明日も天気がいいから天然昆布の漁だ。
今日であらかた漁の勝手がわかった。
今日、純一さんたちの船が港に帰ってくるところを撮れなかったので、明日はそれを狙おう。
長い一日が終わった。
通りがかりです。
いとこが川汲に住んでいるので、今僕は夏休みを利用して遊びに来ています。
僕も写真を撮りながら昆布干しを手伝いました。
それで取れたての昆布を生まれて初めて見ました。
昆布漁は迫力ありますよね!