2012年6月25日(月)。
朝6時前に目が覚める。
窓の外をみると圭介さんとあゆみちゃんはいつものように朝の仕事。
撮影をするつもりはなかったのだけど、やっぱりしたくなり支度をして外に出た。
朝の静寂の畜舎。
搾乳をするあゆみちゃんの姿は何度見ていてもいい。
圭介さんが、ヤギを下の牧草地に追う。
これもまた撮ってしまった。
下の牧草地に久しぶりに行った。
畑がけっこう大きくなっていた。
豚も2頭、広いところにいた。
おいしくなりそうだ。
小屋も増築中。
圭介さんがぽつりぽつりと説明してくる。
この土地に対する愛情が伝わってくる。
アヒルのガー子は新入りの2羽のアヒルとすっかり仲良くなって、3羽で農場を歩き回っている。
お尻を振りながら3羽で歩く姿がかわいらしい。
朝ごはんを食べ、ユウサクは7時に小学校へ出かけていった。
途中まで圭介さんと犬のチチといっしょに。
コウサクは8時に保育園へ。
圭介さんが車で送っていくのを見送った。
出かけに、「帰って来るまでヨウコチャンいてね。」と言われたのには参った。
そしてあゆみちゃんはハルサクをおぶってチーズの発送の準備などする。
野村さんから電話があり9時半くらいに山田農場に来ることになった。
圭介さんの朝のチーズづくりが終わり、早速撮影をはじめた。
昨晩、ご飯を食べながらあらかた話をしてしまったが改めて聞いた。
生産者として何ができるかを考え、ミルクを検査に出した。
不検出だったものの、今も福島第一原発からは放射能が漏れ続け、いつ収束するかもわからない中、これから放射能が検出される可能性は大きい。
小出さんに言わせれば、自分が測ったら必ず放射能は検出されると。
では、検出されたら自分たちはこの農場をやめるのか、考えたそうだ。
小出さんの話を直に聞いたこともあり、自分たちは5年かけて作り上げた愛着のあるこの農場で生きていくんだ、と覚悟が決まったという。
「この農場をやるようになって、自分は職人から農民になった。」
と圭介さんは言った。
職人の頃はチースのことしか考えていなかった。
農民になって初めて、暮らし、環境など色々なことを考えるようになったという。
そして今、高濃度の放射能のあるところで暮らすことを余儀なくされている福島の人たちに自分たちは何ができるのかを考えているという。
瓦礫は受け入れないけど人は受け入れるというスタンスで自分たちの地域が動けるようにしていきたいと圭介さんとあゆみさんは言う。
「でも実際動くのはあゆみさんなんだ。ほんとすごいよ。」
と圭介さん。
「ケイスケがチーズに専念できるように私が頑張るから。」
とあゆみちゃんが言った。
オー、なんて頼もしい妻なのだろう。
そして途中からやってきた野村さんもいっしょに色々なことを話した。
これで6月6日から始まった今回の撮影は全て終了。
そして山田農場を後にして、近所のニーヨルに野村さんとランチに行く。
撮影を終えた解放感とおいしい料理でなんともいい気分。
野村さんも講演会を無事に終え、二人であれこれ話す。
それから聡美さんのあかり農場に遊びに行った。
すっかり大きくなったあかりが学校から帰ってきた。
けんちゃんにコーヒーをごちそうになりながら、おしゃべり。
聡美さんも配達から帰ってきた。
ああ、今回もいい撮影ができてよかった。
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