2012年5月17日、サトロさんと大間の大マグロックで再会した。
2010年8月、大阪・阿倍野のヒューマンドキュメンタリー映画祭で「空想の森」が上映された時に彼と出会った。
阿倍野の人たちと伊勢真一監督が中心になって開催している映画祭だ。
サトロさんは伊勢監督の「風のかたち」の主題歌を歌っていて、
上映後にサトロさんのミニライブがあった。
彼の詩は心にひびき、いい歌をうたう人だなあと思った。
映画祭開催中、同じ宿に泊まっていたので、朝ごはんの時などに色んな話をした。
サトロさんは「空想の森」も見てくれていた。
とても気に入ってくれて、パンフを買ってくれたので、私はいたく感激した。
サトロさんは宮城県の旦理町に暮らしていて、福祉の仕事をしている。
週末はライブであちこち行って歌っている。
今回は夜行バスでかけつけてきたそうだ。
映画祭が終わり、しばらくしてからサトロさんから、
「手紙」という曲をぜひ聴いてもらいたいからと、彼のCDが送られてきた。
私は車の中でそのCDを何度も聞いた。
その中でも、「手紙」が一番好きな曲になった。
歌詞もほぼ覚えて歌えるほどになっていた。
その後私はお礼の手紙をサトロさんに書いた。
そして2012年3月11日。
旦理町に津波。
サトロさんのことを思った。
いせフィルムに勤めている友人から、サトロさんの無事を聞き安堵した。
伊勢さんがサトロさんのドキュメンタリーを作り始めたことも聞いた。
私も撮影を始めた頃なので、伊勢さんの想いにシンクロする感じがした。
2011年5月の大マグロック。
私は撮影に行くことにしていた。
プログラムに「苫米地サトロ」の名前があった。
会えるかもしれないと期待したが、
やはりサトロさんは来られなかった。
そして2012年。今年の大マグロック2日目。
デモのロケハンを終え、会場に歩いていくと、聞き覚えのある歌声が辺りに響いていた。
サトロさんが「手紙」を歌っているところだった。
私は一気にテンションが上がって、キャメラを回しながら会場へ歩いて行った。
そしてそのまま撮影をした。
それからハグをして再会を喜びあった。
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