群馬の竹渕進さんから便りがきた。
「高崎市民測定所クラシル」が4月21日に開設したと。
代表は竹渕さん。
2008年にポレポレ東中野まで「空想の森」を観にきてくれて、高崎で上映してくれた人。
高崎市の倉渕というところで百姓をしている。
この辺りは、自分の食べ物は自分でつくろうと新規就農した人たちが結構いる。
それぞれ個性的で、いろんな作物をつくっている。
ゆるやかなコミュニティができていてとてもいい感じの地域だ。
竹渕さんがやってくれた上映会をきっかけに、その後何度も群馬県で上映会が開催された。
その度にみんながつくった素材でおいしい食事をいただいた。
私は上映を通して群馬県が身近になり大好きになった。
去年の秋、私は高崎を訪ねた。
竹渕さんをはじめ、「空想の森」の上映に関わってくれた人たちに、3.11のこと、原発のことについて話をうかがい撮影させていただいた。
竹渕さんの家に泊まらせてもらい、仕事も撮影した。
上映会の時に泊まらせてもらった時も、ああ、撮影したいなあと思っていたので、ほんと嬉しかった。
「空想の森」の上映に関わってくてた人は、農にたずさわる人が多かった。
群馬の思いがけない放射能の汚染状況にみんなとまどいの中にいた。
農作物は大丈夫なのか、農業をやっていけるのか…。
私はなんとも言えない気持ちになった。
まっとうに食べ物をつくっている人たちに、原発を推進する人たちと真逆の方向に生きている人たちに、放射能がふりかかるなんて。
私はとにかく頭にきていた。
そして私に何ができるのだろうと考えていた。
そんな中、竹渕さんは仲間たちと冷静に勉強し行動していた。
そうなんだ。
竹渕さんはここに暮らしがあって、これからだってここで楽しくよりよく暮らしていくために前を向いて歩いていくんだ、そう私は感じた。
そして自分たちで市民測定所クラシルを開設したのだった。
群馬に竹渕さんがいる、それだけで私は心強くなる。
以下は竹渕さんからの便りよりから。
クラシルの活動に期待を寄せてくださる会員のみなさま、活動にご協力いただいている賛助会員のみなさまのご支援を受けてようやく開設することができます。
運営委員一同、心よりお礼申し上げます。
4月1日、開設に先立ち、那須にある「非電化工房」代表の藤村靖之先生の講演会をしました。講演の中で藤村先生は「群馬県の放射性物質の降下量は栃木県の1.5倍、汚染された面積も栃木県より広い、薄く広く汚染された状態」と話されていました。このような状況の中、農家や販売者、消費者、子供達を育てるお母さんお父さんなど、身のまわりの実態をしっかり調べ、みんなで学び、群馬の地での暮らし方を考えてゆきたい、という思いを持ったメンバーで運営委員会を立ち上げ、開設準備をしてまいりました。
放射性物質に対して漠然とした不安をいだいている方は多いと思います。
見えず、匂いもなく、感じることができない放射性物質は、測定してみることでしかその存在を確認することができません。クラシルでは、不安があるのなら測定し、もし含まれていたならば、そのことについてどう考え、どんな対策を取っていったらいいのか、勉強会や講演会などを通して一緒に考えてゆきます。
「測定は入り口、その先の未来を共に作ってゆきましょう。」これがクラシルのスタンスです。
今後ともご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
高崎市民測定所クラシル 代表 竹渕 進
高崎市民測定所クラシル
住所 〒370-3513 群馬県高崎市北原町25-2 もりのね内
営業時間 月・水・金・土 11:00~16:00
Tel &Fax 027-333-4075
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