山田農場。
2011年12月7日。
朝起きると雪が降っていた。
あゆみちゃんから電話が来て、コウサクの熱は下がり元気に保育所行ったとのこと。
よかった、よかった。
そして私は撮影準備。
親方の家。肉を干している。
親方とおかみさんは今日から久しぶりに2連休。
三人で豪華な朝食を囲む。
パン、クリームチーズ、前の日のうどんのお汁に卵をいれたスープ、親方たちが引き売りに行ってもらってきたホッケの卵の煮つけ、石川さんがお土産で持ってきたメロン、マンゴーヨーグルト。
今日、山田農場は自家用にもらった二羽のカモをしめて肉にすることと、自家用に飼っていた豚をと殺に出す日。
その様子を撮影させてもらう。
10時過ぎ、山田農場に到着。
あゆみちゃんと母屋で話をしていると、チーズ工房での仕事が終わった圭介さんがやってきた。
お茶を飲みながら、先日の一酸化炭素中毒事件の話などひとしきりする。
そしてカモをしめる作業に入る。
作業に入る前、家の脇の岩にお神酒(自家製どぶろく)をかけて、手を合わせた。
そして放牧地にもお神酒をかけ再び手を合わせた。
キャメラを置き、私もいっしょに手を合わせた。
私はカモ、豚、そして動物たちに感謝し、命を育む大地に感謝とご挨拶をした。
圭介さんたちは、動物飼い、ミルクをしぼりチーズにして暮らしている。
動物の肉もいただく。
だから命をいただく前に必ずその命に感謝をするのだそうだ。
岩はここにあった自然の岩で、この地を開拓した時に出てきて、それを山田農場の獣魂碑としたそうだ。
このことを近くの肉牛屋さんから教わったそうだ。
私はとても神聖な気持ちになった。
他の命をいただきながら、自己の命が存在すること。
それがグルグル循環していて、私もその一部ということ。
そして大地がなければ、この命は存在しないこと。
山田農場に身を置くと、これらのことが肌身で感じられる。
山田農場は、動物や生き物の命のありがたさ・人間も自然の一部なのだということを日々感じる暮らし方なのだ。
だから原子力発電所は相入れないものなのだ。
圭介さんは家の裏で静かにカモをしめた。
血抜きをした後、あゆみさんと二人で、軽トラの荷台の上で、毛をむしる。
圭介さんはハルサクを背負いながら器用に作業を進める。
カモは初めてなので、鶏とだいぶ勝手が違うらしい。
だんだん肉の塊になってきた。
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