親方の家にて。
2011年12月2日。
7:30起床。天気がいい。
きっと一坪君は撮影しているだろうなと思いながら薪ストーブに火をつける。
ペコも早くつけてくれと言わんばかりにストーブの目の目に座り、私の作業をじっと見ている。
朝食をとる。
玄米、切り干し大根、スープなど。なんかほっとする。
小笠原厚子さんと連絡が取れ、先日の大間での学習会やあさこはうすの風景撮りの報告をする。
9時半頃出発。大沼に向かう。
あゆみちゃんと晴作が母屋にいてひとしきり話をする。
ハルは少し前にひいた風邪がまだ抜け切れていないようだった。
10時過ぎ、圭介さんと一坪君がチーズ工房から出てきた。
チーズをつくりながら、圭介さんが色んなことを話したようでインタビューのようになりましたと一坪君が言った。
圭介さんも酸欠になりそうだったと言っていた。
そうこうしてるうちに、野村さんがやってきた。
家に入るなり、山田夫婦と大間原発の連載記事の話題をひとしきり。
そしてインタビューが始まった。
チーズのことなど質問をしていた。
その中で、圭介さんあゆみさんの農業・酪農に対する考え方がよくわかった。
インタビューが終わり、お昼ご飯をごちそうになりながら雑談をしていたら圭介さんが、泣いていた晴作をつれて二階に上がった。
しばらくたってあゆみちゃんも様子を見に上がっていった。
そして二階から降りて来たあゆみちゃんが「圭介が頭痛いって言っている」と言った。
すると野村さんが「インタビュー中もずっとあくびをしていたし、一酸化炭素中毒かもしれないからすぐに病院に行った方がいい。」と言った。
一坪君も自分も頭は痛くないけどすごく眠いですと言った。
チーズ工房の中での撮影の様子を聞いた。
部屋を暖めるために炭火を使っていたこと、ミルクを温めるのにも火を使っていた。
狭い工房の中で、いつも一人でやっているが、撮影で一坪君も入っていたのと、しゃべりすぎていつもより酸素をたくさん使ったのだろうか。
大沼クリニックに電話をして、野村さんが状況を伝え、受け入れてくれるかを確認した。
そして私は圭介さんと一坪くんを車にのせて、病院へ向かった。
すぐに診察してもらえた。
圭介さんは点滴が必要と診断された。
やはり軽い一酸化炭素中毒になっていた。
一坪君は圭介さんより軽い症状で、すぐに頭をすっきりさせたいなら点滴をしたらいいと医者に言われたそうだが、しなくていいならしないと、断ったそうだ。
圭介さんも一坪くんもたいしたことなくてホッとした。
そしてあゆみちゃんに電話をかけて、報告。
夕方、あゆみさんが子どもたちを保育園に迎えに行くついでに圭介さんも迎えにいくことになった。
圭介さんが点滴の針を刺される時、とても怖がっていて泣きそうな顔をしていたのには笑ってしまった。
あとであゆみちゃんにそのことを言ったら、「知らなかった。結婚5年目にして初めて知ったわ。」と笑っていた。
そして私と一坪君は、山田農場に戻った。
途中、野村さんの車とすれ違った。
彼女は圭介さんの状態がわかるまであゆみさんといっしょにいたのだろう。
4:00。機材・荷物を車につめて、私たちは親方の家に向かった。
親方は仕事から帰ってきていて私たちを迎えてくれた。
ひとしきり今日の顛末を話した。
そして私たちは近くの温泉に行った。
ゆっくりと温泉に入り親方の家に戻ると、間もなくおかみさんが帰ってきた。
夕食の支度をして、4人で夕食を囲んだ。玄米、切り干し大根、黒豆、くらかけ豆、いわしの煮物などなど。
一坪君は親方と話し込んでいた。
あゆみちゃんから電話が来た。
圭介さんは点滴を受けてすっかり元気になったとのこと。
大事に至らなくてよかった、よかった。
21:00。親方とおかみさんは朝が早いので寝る時間。
チーズとワインを出してくれて、私と一坪くんは23:00頃まで色んな話をした。
一坪君と話すのは面白い。
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