アーカイブ

旅する映画 その77 トロピカルツアー西表島 vol.13

2010年12月8日。晴れ。

とても嬉しい事があった。
奥田さんの泊まっている宿に先日映画を見たオジイが来て、宿の人たちに「空想の森」のことを熱く語っていたそうだ。

あの酪農をやっているオジイだ。

その話をきいたオバアはそんな映画やるなんて知らなかった。知ってたら行きたかったのに。

と言ったそうだ。

という話を奥田さんから聞いて、朝からテンションが上がった。

あのオジイがそんなに面白く映画をみていてくれたなんて。これはもう一回ここで上映しなくては。

本日きび刈り日和。今日は大原で大原中学校のきび刈りがある。

この島の学校の子供たちは部活の試合などで石垣に渡らなくてはいけない。

何かと物入りだ。

なので学校でさとうきび畑を持っていて生徒たちでつくって収穫し、収入を得ているのだそうだ。

旅費などを自分たちで稼いでいるというわけだ。

というわけで、きび刈り初日の今日は生徒、父兄、地域の人たちがみんなできびを刈る日なのだ。

私たちもこれに参加させてもらった。

大原なのでトミおばあの家から歩いて畑にむかった。

右手の製糖工場を過ぎると、まもなく畑に着いた。

びっしり車が止まっていたのですぐにわかった。


煙突のところが製糖工場。

9ちゃんの送別会で会った嘉本祥司さん。

彼も手伝いに来ていたのだ。

学生の頃この島に援農できび刈りにきたことがあるそうだ。

その後東京で営業職で働いていたが、やめて西表に戻ってきたそうだ。

私が、「島の男ってカッコいい人が多いよね。」と言うと、トラクターできびを運んでいる人を指差して彼はこう言った。

「本当にそうです。僕はあの人に出会って、いっしょに働いて、ああいう男になりたいと思って島にきたんです。」

カッコいい男はまだまだこの島にいるようだ。

これが鎌です。

祥二さんから軍手ときびを刈る鎌を渡された。

やり方を一通り教わって私たちもきびを刈った。

1、男たちがどんどんきびを切り倒していき、山をつくる。これが力のいる作業でもあり、ハブも出るかもしれないから男がやるそうだ。

2、山になった中から鎌でひっかけて1本きびをとる。先の方の皮をざっと取り、青い葉の根本の茎をぶった切り、節の部分をキレイにしてロープの上におく。

「かさぎ」という作業。

3、一山キレイにしたらそれを束ねてロープでくくる。

これも力がいる仕事だ。

4、くくったきびを大きなトラックに載せて製糖工場に運ぶ。

私たちは2の「かさぎ」という作業をひたすらやった。

ちょっとだけやるつもりが、夢中になって3時間以上もやった。

私です。
初めてのきび刈り。

昨晩山城さんのところでいっしょにご飯をたべた、チベットちゃん。

美しい山々と海に見守られ、100人以上の人たちがきび刈りに精を出した。


富正さんは、きびをロープで束ねていた。

中学生たちも一生懸命。

束ねたきびはこのようにトラックへ。

刈ったきびを鎌でけずってかじる。
このきび、本当においしい。後でまゆみさんにもらったきびをかじったら、さっぱりして上品ななんともいえない甘さだった。

西表のきびはうまい!

昨日お会いした石原孝子さんのだんなさん。

5日に映画を見に来てくれたショーコ。

彼女は高校卒業後、山梨で就職し働いていたが、半年前に島に帰ってきた。

家は造園と農家をやっている。さとうきびとパイナップルをつくっている。

もうすぐ大原にご飯屋をオープン予定。

ショーコはカワイイコなのだ。

昼ごはんの炊き出しもご馳走になった。

私はいのししそばをたべた。

やはりいのししはおいしい。

みんなさとうきび畑に座って思い思いに食べていた。

このきび刈りという仕事をみんなでやることで、ものすごく連帯感が強くなるような気がする。

刈っている状況、はざぎの作業状況を見て、次の準備にかかる人など、みんなが協力し合って仕事がどんどん進んでいく。

最後にまゆみさんと記念撮影。

まゆみさんには本当にお世話になった。

そして次はまゆみさんが西表で上映会を企画してくれるので、また西表島にこられる。次はもっとたくさんの島のオジイ、オバアにも見てもらいたい。

そして色んな話を聞きたい。

ショーコが車を出してくれた。

3日間お世話になったトミオバアに挨拶すると「また遊び来い。」と言ってくれた。

船着場でショーコと別れた。

ショーコもそうだが、私がこの島で出会った若者たちは、みんな気持ちのいい人たちだった。

もっとこの島にいたかったが、次の上映は波照間。

特にこの時期はしょっちゅう船が欠航するところなので、少し早めに島に入ることにしたのだ。
石垣に向かう船の中、トロピカルな海を眺めながら西表で出会った人たちのことを想った。

奥田さんが石垣のパイランドを予約してくれた。

パイランドの智子さんも今回のツアーの中で上映をやりたいと言っていたが、今回は実現できなかった。

左からパイランドの智子さん、石垣島観光の成底正好さん。

たまたまぱいらんどに来ていた成底さんと、また次回石垣島で「空想の森」の上映会をやろうということになった。

面白くやろうということでこれから色々考えてやっていきましょうという話になった。

またまた面白いことになってきました!

左から智子さん、奥田さん、オジイ、オバア。

晩御飯を食べながら、ぱいらんどで試写会。
DVDの汚れのため、前半の半分くらいが見られなかったが。

オバアは昔の畑仕事や子育てを思い出し色々話してくれた。

オジイははじめ、もっと短く切った方がいいと言っていたが、後半の方は黙ってみていた。

オバア、智子さん、オジイ、色々ご協力ありがとうございます!!

石垣島でもまた上映ができそうだ。

トロピカルツアー2011も夢ではなくなってきた。

明日は波照間島に渡る。

Leave a Reply

You can use these HTML tags

<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>