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旅する映画 その37 名古屋へ

R0010630左から私、谷陽子さん、北村さん。空色勾玉にて。

2009年7月28日。
10:00。

起床。

樋野さんがコーヒー豆をガリガリとひいてコーヒーをいれてくれる。

軽くパンを食べる。そしてまた駅まで送ってもらった。

「じゃあ、10月、山形で。」と言って別れた。

もっと話したかったような、それでいて充分話したようなそんな気分だった。

そして私は名古屋に向かった。

10月に予定している名古屋の自主上映は、小学校の体育館で上映することが決まっていた。

それが、私が帯広を発つ前、実行委員長の北村さんから、学校行事が入ったから体育館が使えなくなったと知らせがきた。

また新たに上映場所を探し、日も決め直さなければいけなくなったのだ。

それで私は関西に行くので帰りに名古屋に寄って北村さんやみんなの顔を見てこようと思った。
名古屋駅から乗り換えて千種駅に降りると、北村さんが北村酒店のワゴン車で迎えに来てくれた。

そして空色勾玉へ。平日なので他のメンバーは来られなかったが、北村さんと谷さんと顔を合わせて話ができてよかった。
上映場所もだいたい目処がついたようだし、上映日も11月に入ってからということで話がまとまったという。

ということで、そのことについて、とりたてて話すこともなかった。

心配は何もなく、よかった、よかった。
私はランチを注文しご飯を食べながら、北村さんや谷さんに京都や神戸での上映こと、出会った人たちのことなどを話した。

ここのランチはとても美味しかった。

そしてコーヒーもとてもうまい。
そして北村さんに駅まで送ってもらい、私は今日の宿、吉田真由美さん・ベコちゃんの家に向かった。

一人で行くのは初めてだったので、乗る電車を間違えるハプニングもあったが、無事に最寄駅に到着。

ベコちゃんが車で迎えに来てくれた。

連れ合いの赤石君は雨の為仕事が早くあがり、家に帰って来ているとのこと。
家に上がると、エプロン姿の赤石君がニコニコと出迎えでくれた。

彼はすでに台所に立ち、夕飯の支度にかかっていた。

早速「何が食べたいですか?」と聞かれ、私は「あっさり、さっぱりしたもの。」と答えた。

私とベコちゃんがテーブルにつくと、ビールをついでくれ、自分は台所に戻り、次々と料理を運んできてくれた。

この家は食事に関しては赤石君が全てをするということを知っていたので、もうすっかり気にならなかった。

私とベコちゃんはテーブルから一歩も動かなかった。
胡瓜の漬物、胡瓜と茗荷のあえもの、ししゃも、はんぺん、炒め物、ご飯、味噌汁。

とてもおいしくていっぱい食べた。

赤石君の料理で私は生き返ったような気がした。

とても疲れていてヘロヘロだったが、食べるうちに次第に元気を取り戻してきた。

楽しくおしゃべりをして22:00には床に就いた。
今回の京都・神戸での上映はあまりに多くの人に出会い、色んなことがあってまだ頭の中はグルグルしている。

上映に歩けば歩くほど、人と出会い、気持ちを共有する時間が増え、そのつながりが広がってゆくことだけは体感していた。

とにもかくにも、無事この夏の山場を乗り切った充実感が体を満たしていた。

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