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第七芸術劇場公開日記 12/1

第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/

 2008年12月1日。
今日から師走。
私は午後の便で帯広に帰る。
10:00 劇場へ。13人のお客さん。
しかし何度観ても、「空想の森」は面白い。
でも本当に、3回目くらいが一番面白く観られると私は思う。
そのことを、色んな人たちにも言うのだが、
宣伝の楠瀬さんや、スコーレの木全支配人なんかは
あきれ顔で「自画自賛」と言う。

人数は少なかったが、上映後に拍手をしてくれる人がいた。
すごく嬉しかった。

ロビーで若い女性に話しかけられた。
「すごくよかった。観ていて涙が出てきました。若い人に観てもらいたい。
自主上映やってみたいです。」と。
年配の男性にも声をかけられた。
「妻が北海道出身ということもあって、ふらっと観に来たのだが、
自分の知らないことがたくさん出てきてとても面白かった。」
もう一人、女性は
「新聞を読んで観にきました。でも、私は新聞とは違う感想を持ちました。
パンフレットをチラッと読んだのですが、監督の文章を読んで腑に落ちました。」と。

人数は少なかったけれど、
この映画は確実に人にひっかかるものがあるというか
伝わるものがあるんだと改めて実感した。
私が切り撮った私の大事な人たちの日常から、
見ず知らずの人が色んな事を感じ、想い、考える。
映画って素晴らしいと思う。

 
第七藝術劇場の松田社長

劇場の人に挨拶をして私は少々興奮しながら劇場を後にした。
エレベーターを降りると、松田社長にバッタリ会った。
私は立ち話で今までのことなど話していると、
座って話しましょうと、隣のコスタリカへ。
私はまだ昼ごはんを食べていなかったので
いつもの定食を食べながら、松田さんと話した。

きっと私は興奮して松田さんに今までのことや思ったことを
すごい勢いで話していたのでしょう。
松田さんも、劇場と製作者がもっと協力して
興行をやっていける体制をつくりたいと熱っぽく私に語った。

ミニシアターの経営はどこも大変だ。
娯楽が多様化して、若い人が映画館に来なくなった。

私は思う。
映画館で大きなスクリーンで映画を観ることは
レンタルビデオを借りてきてテレビで観ることとは全く違うことだ。
暗い空間でスクリーンに映し出される映像と向き合い、
その世界に身を浸す。
誰にも侵されない自分だけの空間と時間でもあるが、同時に
観ている映画と、その時一緒に観ている人たちがつくりだす気というか
エネルギーというか、そういうものに包まれている空間と時間でもある。
一人であって一人じゃないというか。

だから、同じ映画でも日によって感じ方や見え方が違うのは、
観ている人たちが毎日違うからなのだ。
私は「空想の森」が完成してから、何十回も見ているが、
一度も同じように観たことはない。
映画もライブなのだ。

興奮さめやらないまま、私は帰路についた。
つい話が長くなり、伊丹空港に着いたのは出発ギリギリ。

帯広空港に降り立った。
息をすると鼻が痛かった。

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