2006年1月 映画「空想の森」便り 第8号 監督 田代陽子
2006年になりました。
みなさん、いかがお過ごしですか。
この冬、北日本の各地で大雪のための被害、犠牲者がでていると連日報道されています。
私の住む十勝は今の所雪は例年並みです。
昨年は日本だけでなく、世界の色々な地域でも自然災害が随分と多い年だったなあと改めて思わされます。
そういえば撮影の時、十勝で野菜をつくっている宮下さんは
「今年は異常気象だとここ数年毎年言っているなあ。」
と私に言ってたことを思い出します。
<田代陽子の撮影日記>
2005年9月15日。 宮下さんの畑仕事の撮影。
人参の収穫。
玄関前。
土間にて仕事準備。
玄関前で傘を干す文代さん。
まずは包丁を研ぐ宮下さん。
コンテナを軽トラの荷台に積む。
人参を抜く宮下さん。
人参の葉を切る文代さん。
しゃがみながら畑を移動してゆく。
作業をしながら宮下家の作品について話す二人。
畑には私たちがスーパーの野菜売り場では絶対に見かけない形のものが出てくる。
それは男の人の体だったり女の人だったり見事な造形美なのだ。
そういう人参を見つける度に、宮下さんと文代さんは
「そりゃ大したことないわ。」とか「これは傑作だ。」
と言っては盛り上がっている。私も撮影中何度となく作品を見せてもらった。
抜いたばかりの人参は土がついて湿っている。
抜いた後しばらく脇に並べて葉を切り落としているうちに乾いてくる。
それからコンテナにつめていく。
葉や亀裂がはいっているのや細すぎるものは畑に残していく。
そのまま畑の肥やしになるのだ。
少し早く文代さんは畑から上がって昼食づくり。
宮下さんはギリギリまで畑の作業を進める。
台所にて人参を切る文代さん。
手早く昼食の準備を進める。
上がってきた宮下さんはまず土間で仕事着を脱ぎ、洗面台で石鹸で手をきれいに洗う。
人参のサラダ、ズッキーニの揚げ物、カレーライスなど。
撮影の時、私もいつもご馳走になる。
文代さんの料理はいつもおいしい。
午後。
宮下さんは食べ終わると畑に向かう。
文代さんは昼食の片づけをしてから。
文代さんが畑にやってくると、あうんの呼吸でコンテナに詰めた人参を軽トラの荷台に運ぶ2人。
さすがだ。
蕎麦畑。ひょろひょろと細長いそばには、小さな小さな実がみのっている。
草を刈るくらいの大きさの鎌でそばを刈る。
宮下さんは一振りでザーッと一気に刈っていく。
文代さんは3回くらいに分けて素早く刈っていく。
[…]